膵癌の放射線治療効果の分子生物学的手法による定量的判定と感受性予測に関する研究
Project/Area Number |
07274236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大塩 学而 京都大学, 医学研究科, 助手 (80131100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 憲幸 京都大学, 医学研究科, 大学院生
諏訪 裕文 京都大学, 医学研究科, 医員
今村 卓司 京都大学, 医学研究科, 医員
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
芝本 雄太 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (20144719)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | 膵癌 / 放射線 / 分子生物学 / 感受性 / メタロチオネイン / サイトカラシンB / p53 / Ras |
Research Abstract |
1.膵癌の生物学的特性と放射線感受性に関連する因子の発現:放射線感受性因子として考えられるmetallot hioneinは,膵癌で41%に、glutathion-s-transferaseは78%に、bcl-2 proteinは18%に出現していた。 2.膵癌細胞株の樹立とその放射線感受性の検討:教室で手術した膵癌5症例から5種類の細胞株を樹立した。サイトカラシンBを利用し、膵癌細胞株の放射線感受性をin vitroで測定した。膵癌細胞株のpotential do ubling timeは、49時間から128時間まで差が認められ、放射線照射による微小核数の増加(放射線感受性が高い)は0.18から0.45と膵癌症例内でも感受性には大きな差が認められ、症例により放射線治療効果が期待できると考えられた。 3.膵癌における糖鎖抗原の発現と放射線感受性:sialyl Lewis aは89%、sialyl Lewis xiは57%、Tnは97%、sialyl Tnは88%に認められた。切除不能膵癌症例において、治療開始前のCAL19-9が1000IU/ml以下の症例では放射線治療効果が非放射線治療群との間にみられたのに対して、10IU/ml以上の症例では治療効果は認められなかった。 4.膵癌における遺伝子異常と放射線感受性:p53蛋白は、61%が陽性であった。p53 proteinの発現と放射線治療の関係では、膵癌切除と放射線治療を併用した症例の中では、p53 protein陽性例の平均生存日数は368±42日で、陰性例では550±112日であった。Ras遺伝子のmutationの有無あるいはmutationのtypeと放射線治療の間には相関関係を認めなかった。 本研究によって膵癌では、放射線抵抗性因子が高頻度で発現しており、膵癌が放射線抵抗である症例が多い事が裏付けるられた。しかし症例により感受性には差がみられ、有効症例を選別する事が重要と考えられた。p53の変異など放射線治療の感受性予測に重要な因子が明きらかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)