遺伝性腫瘍としてのB細胞性慢性リンパ性白血病の疾患素因遺伝子の解析
Project/Area Number |
07274262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
広瀬 幸子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (00127127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 健一 順天堂大学, 医学部, 助手 (80266030)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | B細胞性慢性リンパ性白血病 / New Zealandマウス / B1細胞 / TNF receptor family / 自己免疫疾患 / マイクロサテライト法 |
Research Abstract |
B細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)は遺伝性がんの一つで、その白血病細胞は大部分がCD5分子を持つことからB1細胞由来と考えられている。また、自己免疫疾患患者家系にB-CLLが好発することや、B1細胞が自己抗体産生能を有していることなどから、B-CLLと自己免疫疾患との関連性が示唆される。New ZealandマウスのうちのNZWマウスは、自己免疫疾患は発症しないが、B1細胞の異常増殖によるB-CLLの発症が高率に認められる。そこで、NZWマウスとB10系の交配マウス系を用いて、B1細胞の異常増殖に関わる責任遺伝子の解析をマイクロサテライト法を用いて試みた。その結果、次のことが明らかとなった。 1.NZWマウスにはB1細胞の加齢に伴う異常増殖が認められる。この現象は(NZWxB10.D2)F1マウスには見られるが、B10.D2マウスには見られないことから、B1細胞の増殖にはNZWマウス由来の優性に働く遺伝要因が関与していると考えられた。 2.NZWマウス由来のB1細胞異常増殖素因遺伝子をマイクロサテライト法により解析した結果、第17染色体上のMHCに連鎖した遺伝子、第4染色体上のTNF receptor p75に連鎖した遺伝子および第6染色体上のTNF receptorp55に連鎖した遺伝子の主に3つの遺伝子が関与している可能性が示唆された。 TNF receptor familyに属する分子はリンパ球の分化、増殖、アポトーシスなど多彩な作用を有していることが示されている。今回明らかとなった遺伝子が、実際にTNF receptor遺伝子自身なのか、あるいはこれの極めて近傍に存在する別の遺伝子なのかを、今後、解析していく予定である。また、これらの遺伝子が実際にB-CLL発症の責任遺伝子であるか否かも今後解析する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)