膵β細胞でのATP感受性K^+チャネルと糖輸送担体の機能協関と糖尿病における異常
Project/Area Number |
07276220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 均 京都大学, 医学研究科, 助手 (80212893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 膵β細胞 / インスリン分泌 / 糖尿病 / パッチクランプ法 / ATP感受性K^+チャネル / 糖輸送担体 / 細胞内ブドウ糖代謝 |
Research Abstract |
膵β細胞でのATP感受性K^+チャネル(K_<ATP>チャネル)と糖輸送担体の機能協関は、細胞内でのブドウ糖代謝を介した糖認識機構と位置付けられる。そこで糖尿病の発症に深く関与しているブドウ糖刺激に対するインスリン分泌不全が、この機能協関の破綻に基づくものであることを明らかにする目的で以下の検討を行なった。膵β細胞K^<ATP>チャネル活性についてはpatch clamp法のsingle channel recordingにより直接的に測定した。遺伝性糖尿病モデルのGKラットでは、ブドウ糖刺激に対する選択的なインスリン分泌不全とともに膵β細胞K^<ATP>チャネルのブドウ糖に対する活性の抑制率に低下を認めた。一方、このチャネルのATPに対する感受性やチャネルの単一コンダクタンスには対照と差を認めなかった。以上の結果より、糖尿病の膵β細胞では細胞内ブドウ糖代謝機構の障害、すなわちK^<ATP>チャネルと糖輸送担体の間の機能協関に破綻が生じている事実が明らかとなった。次いで解糖系の中間代謝産物を経由して代謝されるglyceraldehydeやketoisocaproateによるK^+チャネルの抑制は、対照の間と差を認めなかったが、膵β細胞内での糖代謝機構において重要な地位を占めていることが知られているglycerol-phosphate shuttleに直接入ることが知られているdihydroxyacetone(DHA)-phosphateによるK^<ATP>チャネルの抑制はGKラットで明らかな低下を示した。以上より糖尿病の膵β細胞内でのブドウ糖代謝機構の障害部位としてこのshuttleの機能不全が考えられた。したがってこの事実が糖尿病でのブドウ糖に対する選択的なインスリン分泌不全の成因に密接に関与しているものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)