HIV-Tat/CD26相互作用によるT細胞活性化障害とレドックス制御異常の研究
Project/Area Number |
07277210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | レドックス / ADF / チオレドキシン / エイズウイルス / CD26 / レトロウイルス |
Research Abstract |
Cystine/cysteineやglutathione(GSH)などの低分子量thiol化合物は、リンパ球の増殖および機能において重要であることが報告されており、HIV感染者では無症候群においても血清およびリンパ球のcysteineやGSH量の低下が見られ、一種の酸化的状態により、リンパ球のアポトーシスが促進されることが提唱されている。HTLV-I感染細胞株上清よりわれわれが分離・精製・遺伝子クローニングしたATL由来因子(ADF)は、dithiolを活性中心とする強い還元活性をもつthioredoxinのヒトホモローグであり、GSHやcysteineと同様に細胞内外の酸化還元状態に深く関与することを報告してきた。われわれは、細胞外からのrecombinant ADFの投与により、細胞内へのcysteineの取込みが促進されることを見いだした。さらに、AIDS患者のリンパ節およびHIV急性感染モデルにおいてチオレドキシンの減少が見られることを報告した。HIV感染者では正常人より血漿中のADFは高値を示し、またCD4陽性細胞数が300/mm^3以下になると、ADF値が高値を示す。また、HTLV-I感染細胞においては、Tax蛋白によりADFの発現が誘導され、HTLV-Iによる腫瘍化にADFが関与していることを報告してきた。HIV-Tat/CD26との相互作用については他の表面抗原(Nefなど)と関連づけて現在解析中であるが、HIVやHTLV-Iなどのレトロウイルス疾患において生体内レドックス制御の異常が、その病体形成に重要な役割を果たしている可能性のあることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)