Project/Area Number |
07277226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
間 陽子 理化学研究所, 安全評価研究室, 先任研究員 (50182994)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | HIV-1 / vpr / ロイシンジッパー様配列 / 細胞増殖抑制 / G2アレスト / アクセサリー遺伝子 / 核移行性蛋白質 / AIDS |
Research Abstract |
HIV-1は構造遺伝子、調節遺伝子の他、複製に直接関係しないアクセサリー遺伝子(vpr,vpu,vif,nef)を有するが、アクセサリー遺伝子の機能とAIDS発症における意義は明かにされていない。アクセサリー遺伝子の中でも、特に、vpr遺伝子産物は単独で核内に局在し、ロイシンジッパー様配列を有することから、細胞の分化、増殖、細胞死に関与する転写制御因子として機能しうることが予測される。本年度はvpr遺伝子産物の細胞の増殖に及ぼす効果とそれに関与する機能領域を同定した。 vpr蛋白の細胞増殖に及ぼす効果を明確にするため、HIV-1感染性DNAクローンpHL432から得たvpr遺伝子断片を用いて、機能領域と予測される部分に欠失変異および点変異を導入したvpr発現ベクターを作製し、マウスNIH3T3細胞株に導入した。vpr発現細胞では著しい細胞増殖抑制効果が観察された。この効果には96アミノ酸からなるvpr蛋白質の中の、N末端の16アミノ酸残基およびC末端のアルギニンに富む15アミノ酸残基が関与することを見いだした。また、細胞の付着性が増強した。この現象に関与する機能領域は、N末端のa-helix構造を含む30アミノ酸残基およびC末端のロイシンジッパー様構造を含む36アミノ酸残基であることが示唆された。さらに興味深いことに、細胞増殖抑制効果を有するvpr蛋白の中のロイシンジッパー様構造を含む22アミノ酸残基は、細胞増殖を増強させる性状があることを明らかにした。しかし、この機能の発現にはC末端のアルギニンに富む領域を欠失させる必要があった。次に、vpr蛋白の細胞増殖抑制効果の機序を解析したところ、vpr蛋白発現により細胞周期がG2期にアレストされることを明確にした。 現在、vpr蛋白質が転写活性化因子として機能しうるか否かを、また、ロイシンジッパー様配列の重要性についても検討を進めている。
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