シナプス伝達の可塑性研究:制御因子の作用機序と新規因子の遺伝子の探索
Project/Area Number |
07278201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 俊彦 北海道大学, 薬学部, 助手 (90174317)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | シナプス伝達 / NO / 海馬 / ノルアドレナリン / S-ニトロソンステイン / カルモジュリン / NG108-15細胞 / 神経突起進展因子 |
Research Abstract |
私達はラット海馬切片からSNPやSNAPなどのNO供与体がノルアドレナリン(NA)放出を促進することを見いだした。得られた新知見は以下の通りである。1)NO供与体は単独では,cGMP含量を増加させたが,NA放出促進作用は示さなかった。また細胞膜を透過するcGMP誘導体dibutyryl-cGMPはNA放出に関して無効であった。2)NO供与体はジチオトレイトロソチオール化合物がNOの活性分子であると推定され,実際に分光学的性質が認められた。3)S-ニトロソシステイン(SNC)は単独で顕著なNA放出作用を示した。4)SNC作用は海馬切片をカルモジュリン(CaM)阻害薬(W-7やトリフルオペラジン)やCaMキナーゼII阻害薬(KN-62)と前処理しておくことで消失した。これらの知見は,SNCが海馬からのNA放出を促進すること,その作用機構はcGMPを介さずに,Ca^<2+>-CaMキナーゼIIを介していることを示したものである。現在,CaM蛋白がどのような修飾を受けているのか,この放出機構にGTP結合蛋白が関与する可能性について検討中である。 一方,NG108-15細胞において神経突起進展活性を示す新規因子TA20の研究からは以下の知見が得られた。1)発現ベクターpMAM-TA20を導入したNG細胞は,細胞増殖が抑成され,ニューロフィラメント蛋白量の増加と神経突起の進展が見られた。2)神経組織に多いGTP結合蛋白Goのαサブユニット量も突起進展とともに増加していた。TA20は突起進展と増殖抑制活性を有し,あわせて細胞骨格系の変化をもたらすと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)