長期増強に関連して発現するラット海馬の未知の遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
07278247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
丸山 敬 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (30211577)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 長期増強 / 差分法 / 海馬 / 転写調節因子 |
Research Abstract |
ラットの海馬スライスにおける反復刺激後に神経細胞の反応性が上昇する現象:長期増強(LTP)は、過去の電気信号が未来の神経活動に影響を及ぼすという意味で、記憶の実験モデルとして注目されている。LTPの分子機構の解明は、各種のインヒビターやアゴニストの効果、あるいは既知のタンパク質の変化を中心に研究が進められている。しかし、本研究では、Kチャンネル阻害剤tetraethylammonium(TEA)によって誘因されるラット海馬スライスの長期増強に関連して発現される未知の遺伝子を差分法とin situ hybridization(ISH)を用いて検索し、LTPに関連した未知の機構の解明をめざす。 TEA処理した海馬スライス由来のメッセージから大脳皮質由来のメッセージで差分を行って差分ライブラリを作成した。そして、各クローンを一個ずつISHでスクリーニングし、神経に特有に発現されるクローンを検索した。その中の3個はデーターベースの検索では未知の遺伝子であった。そのなかの一つKW8がコードするアミノ酸配列には、MyoDやNeuroDなど文化関連遺伝子に共通に存在するヘリックス・ループ・ヘリックスドメイン(HLH)が存在した。HLHのアミノ酸配列はほとんど保存されていたが、その前後のアミノ酸配列はこれまでに報告されているHLHタンパク質とは全く異なっていた。 KW8は分化が終了した神経組織において発現している。LTPの維持に、あるいは記憶の機構には新たな神経回路の形成が考えられる。従って、KW8によって一連の遺伝子群が活性化されて新しいシナプスが誘導されることが考えられる。平成8年度は、この観点を中心にKW8の機能の解明を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
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