神経系のシナプス形成に係る胎児型グリシン受容体チャネルの役割
Project/Area Number |
07279206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
赤木 宏行 群馬大学, 医学部, 助教授 (30222508)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | グリシン受容体 / イオンチャネル / in situ hybridization |
Research Abstract |
グリシン受容体チャネルの主要サブユニットαには分子多様性があり,α1からα4に分類されているが,このうち神経系に豊富に存在するものはα1とα2である.ノーザンブロット解析の結果,α1とα2の神経系における発現時期に違いがあることが明らかとなった.即ち,α1が成熟動物の中枢神経系(主として延髄,脊髄)に豊富に発現するのに対し,α2は胎生期・幼若期の神経組織に分布し,動物の発育と共に消失する.本研究では胎生中期から成熟期(生後50日齢)のラット脊髄におけるα1およびα2mRNAの発現様式を組織化学的手法を用いて検討し,両者を比較することを試みた.胎生(E)12-14,18,生後(P)0.5.10.21.50日齢のWistar系ラット脊髄をエーテル麻酔下に摘出し,5μmの既固定凍結切片を作製した.α1及びα2cRNAをプローブに用いてin situ hybridizationを行い以下の結果を得た. 1)P21および50の組織においてα1アンチセンスプ-ブと結合するRNAの発現を示す強いシグナルが観察された. α1mRNAの発現はラットの生後発達とともに増加する傾向を示した. 3)α2mRNAはE14からP0までの時期の脊髄において強いシグナルとして検出された.E14では外套層(前角),POでは灰白質前後角全域に渡ってほぼ均一に分布していた.P5以降,α2の発現量は減少する傾向を示し,P50では著しく弱いシグナルしか観察されなかった.しかし,この時期においても,後角の一部の細胞(主にLamina IとV層の細胞)からは比較的強いα2シグナルが検出された.このことから,ある種の成熟ニューロンにおいてα2サブユニットもグリシン受容体の構成タンパクとして関与しうることが示唆される.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)