Project/Area Number |
07279220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川口 三郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (70024635)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 脊髄伝導路再生 / 脊髄髄節置換 / 神経機能回復 / 神経活動依存性 |
Research Abstract |
新生ラットの下部胸髄あるいは腰膨大の髄節を取り除き,切除髄節と相同な部位を含む胎児ラットの脊髄髄節を正常な吻尾背腹方向にして移植した.また,生後2週齢のラットの脊髄を胸髄下部あるいは腰膨大で鋭利な完全切断あるいは不完全切断を行った.不完全切断というのは外側1/3程度を切り残すものであるが,両側の皮質脊髄路と片側の赤核脊髄路とは完全に切断される.これらの動物において切断部あるいは移植髄節を越えて再構築された神経結合を神経組織学的,電気生理学的,行動学的に検索した.脊髄髄節の移植実験では胸髄下部の髄節を置換した例は術後殆ど全てが生存し,成長した.これに対して腰膨大の髄節を置換したものは殆どが術後まもなく死亡し,長期生存例は皆無であった.胸髄置換例の一部は正常な動物におけると同様な前肢-後肢の協調した歩行を示し,金網を昇降することができ,立ち直り反射も認められた.これらの動物では移植髄節を越えて正常と同様な上行性・下行性の神経結合ができていること,その神経結合が電気生理学的に正常と同様な活動性を示すことが確認された.脊髄の切断実験においても,腰膨大の完全切断例とその他の切断例とは非常に異なっており,前者では後肢は伸展位のまま脊髄反射の消失状態が続き,膀胱直腸障害が出現したのに対して後者では後肢は術後,屈曲位をとり,反射運動は失われず,膀胱直腸障害もなかった.前者では対麻痺は回復せず伝導路の再生は起こらなかったのに対して後者では著明な機能回復を伴う脊髄伝導路の再生が起こった.腰膨大には後肢の運動のパターンジェネレーターが存在することが知られているが,新生ラットや幼弱ラットでは上位脳からの神経結合が絶たれても,腰膨大が独立して活動することができ,その活動が再生に対して促進的に働くものと推測される.本研究結果は伝導路の再生が標的組織の神経活動に依存していることを示唆するものである.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)