Project/Area Number |
07279244
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
湯浅 茂樹 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (70127596)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 小脳発生 / Bergmannグリア / アストログリア / tenascin / プルキンエ細胞 / 帯状構造 / rhombotin / リーラーミュータントマウス |
Research Abstract |
小脳求心性回路形成の分子機構を明らかにするため、小脳皮質形成においてプルキンエ細胞の配列の位置情報を呈示すると考えられるBergmannグリアの発生機構の解析を行なった。さらに、求心性投射の標的であるプルキンエ細胞の帯状分化の機構を解明するため、プルキンエ細胞の正常分化過程ならびに小脳皮質の遺伝的形成障害を示すリーラーミュータントマウスにおけるプルキンエ細胞-アストログリアの細胞間相互作用について検討した。 1.Bergmannグリアの発生機構:細胞外基質接着因子tenascinが胎生期放射状グリアならびに幼若アストログリアに発現することから、tenascin遺伝子発現を早期の指標としてin situ hybridization、免疫組織化学により小脳Bergmannグリアの発生を形態学的に検討した。tenascin免疫陽性の胎生期放射状グリアはプルキンエ細胞の皮質への移動をガイドしたのち突起を短縮した。そして、tenascin遺伝子を発現した細胞体は皮質へと放射状に移動しプルキンエ細胞層に配列した。これらの細胞は生後、アストログリアマーカーであるglial fibrillary acidic protein(GFAP)陽性のBergmannグリアに分化した。 2.プルキンエ細胞の帯状分化:プルキンエ細胞マーカーとしてL7遺伝子発現を指標としてin situ hybridizationにより正常分化過程を検討すると、プルキンエ細胞が移動中である胎生15日にすでに帯状分化が認められ、皮質に配列後も帯状の発現様式を示した。また、生後小脳外顆粒層では転写因子rhombotin遺伝子の帯状発現が認められた。リーラーミュータントの生後小脳では、L7遺伝子を発現したプルキンエ細胞は皮質下に帯状の集塊を形成し、tenascin遺伝子を発現したBergmannグリアは皮質に分布して形成異常を示していた。また、アストログリアはプルキンエ細胞塊の内側のものが占める領域ではGFAP陽性を示したが、外側塊の領域ではGFAP陽性であった。 以上の所見から、Bergmannグリアは小脳発生において放射状グリアに起源を有し、プルキンエ細胞の皮質への配列過程の制御に関与するとともに、プルキンエ細胞の帯状分化とアストログリア分化に相関のあることが明らかになった。
|