Project/Area Number |
07282207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 泰雄 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (50101168)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 核内タンパク質 / DNA結合タンパク質 / スプライシング因子 / RNA結合領域 / 亜鉛フィンガー / クロマチン / スプライシオソーム / マトリン3 |
Research Abstract |
ヒトおよびマウスの核内タンパク質としてクローニングしたN/MAXは多様な機能性領域を持つタンパク質である。すなわち、a)Cのクラスターを認識して2本鎖DNAに結合する領域、b)スプライシング因子に見られるアルギニン・セリンに富むRS領域、c)hnRNPに見られるポリミジン結合モチーフを持つMH2領域、d)酸性核マトリックス蛋白質であるマトリン3と相同なMH1、MH2およびMH3領域、e)LVTVDEVIEEEDLの配列が繰り返すAcidicrepeat領域、f)亜鉛フィンガーに類似した領域。N/MAX組換体の抗体は核当たり数百個の顆粒状構造体を蛍光染色し、この複合体は核分裂時に凝集クロマチンから排除されて細胞質に拡散し、分離を完了した複製クロマチンに再会合して娘核内に収納される。これらの特徴は、N/MAXが染色体の特定DNA領域やRNA分子を組み込んだ分子複合体に含まれて何らかの核内反応の場を形成していることを示す。本研究ではN/MAXに関して以下の研究実績を挙げた。 N/MAXの各種領域を"biteprobe"とするTwo-Hybrid Systemで、スプライシング因子であるSF2と同様に、RSを含む領域を介して32kDaのタンパク質(SF2-p32)と相互作用することが判明した。このことは、N/MAXがpre-mRNAを中心に形成されるスプライシオソームの構成因子であることを示した。これをさらに検討するために以下の実験を行った。 1)HeLa細胞の核抽出液および人工pre-mRNAからなる試験管内スプライシング反応系を構築し、N/MAX抗体の添加によるスプライシング反応の阻害を検討した。微弱な反応抑制効果を見たが完全阻害を確認するには至らなかった。 2)N/MAXでは、hnRNP/IおよびLに見られるポリピリミジンを認識するRNA結合モチーフのコア配列が3回繰り返している(MH2)。スプライシングで切り出されるpre-mRNAのイントロンの3'側では、一般にピリミジン含量が高い。これらのことは、N/MAXがMH2を介してイントロン配列の3'側におけるスプライシオソーム構造の構築に寄与している感応性を示唆する。そこでN/MAXとマトリン3のMN2配列を含む組み換え体が選択的に結合するRNA配列をSELEX法で決定しようとし、取りあえず、マトリン3のMH2領域がポリピリミジン配列に結合することを確認した。 3)最近、RothらはRS領域を持つタンパク質に対する新しいモノクロナール抗体を作製し、スプライシオソームに十数個のRSタンパク質の存在を新たに示唆した。この中に、200kDa以上のサイズを持つものがあることを報告しているので、この抗体の分与を受けてN/MAXとの交叉性を検討した。核抽出液を用いた予備実験では、Rothの示した200kDa以上のRSタンパク質がN/MAXであることが示唆された。
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