Project/Area Number |
07283201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 信夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (20001852)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | インプリンティング / EG細胞 / ES細胞 / X染色体不活性化 / 胚様体 |
Research Abstract |
1.雌雄のEG細胞の培養下での分化能を胚様体形成によって詳細に調べた。野生型EC細胞では分化を誘導する浮遊培養開始後1週間以内に典型的な嚢胞状の胚様体(cystic embryoid body)が多数出現したが、雌EG細胞では単為発生ES細胞と同様、cystic embryoid bodyの形成は殆ど認められなかった。内層中央部には細胞死が激しく、内胚葉層の産物である良く発達したライヒェルト膜様構造に沿って未分化細胞塊が散在していた。雄EG細胞では14日目に至っても内胚葉層の発達が悪い一方、中心部での細胞死は少なかった。 2.14日目胚様体において新たに誘導されたX染色体の不活性化を調べた。雌EG細胞では不活性X染色体を持つものは9%、単為発生ESでは4%にすぎなかったが、野生型ES細胞では30〜50%であった。雌EG細胞と単為発生ES細胞を野生型ES細胞と混合し、キメラ胚様体を形成させたところ、雌EGおよび単為発生ES細胞での頻度がそれぞれ21%と24%に上昇した。X染色体不活性化は細胞分化に付随して起こるのでこれらの細胞は不活性化能は持つものの、分化能が低いために単独ではその能力が発揮されないと考えられる。 3.刷り込みの差を各未分化細胞株で検討するために、DNAのメチル化が刷り込みのシグナルとなっている事が知られている内在性遺伝子pH19,Igf2,Igf2rのメチル化の状態を調べた。成体の体細胞ではH19とIgf2では不活性な対立遺伝子のみが、Igf2rでは活性対立遺伝子のみがメチル化されている。いずれの部位でも雌EG細胞は低メチル化状態にあり、単為発生ES細胞とほとんど同じであった。一方、雄EG細胞ではH19では約50%、Igf2とIgf2rでは体細胞や雄ES細胞と同程度のメチル化が認められたが、allele-specificityは検討できなかった。これらの知見は受精後12.5日目に、雌の始原生殖細胞では既に刷り込みの消去が始まっていることを示している。 4.マウスSearle転座の隣接2型分離の結果生じた不均衡な核型、40(X,X^<16>,15,Y)を持つES細胞では分化開始後3日目には、胚様体の表面の細胞ばかりでなく、内部の細胞も形態的に完全に分化した。レクチン反応性を調べた結果、近位あるいは遠位内胚葉であることが判明した。X^<16>染色体は不活性化センターを失っているため、X染色体の不活性化は起きないが、これが原因とは考えられない。少なくともin vivoでは、核型が良く似た40(X,X^<16>,16,16)胚が着床直後にはかなり正常に近い形態を保っているからである。16番染色体の基部半分がモノソミ-になっていることが直接関与していると考えられる。この核型を持つ胚はあまりにも発育が悪いため形態的特徴すら良く分からない。内胚葉分化の遺伝子支配を明らかにする上で貴重な系になると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)