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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
精子形成機構の理解を進める上では,支持細胞であるセルトリ細胞における特異的な遺伝子発現制御機構を理解することが重要である.報告書はさきに,赤血球系転写因子GATA-1が精巣特異的なプロモーターを利用して,精子形成周期と関連してセルトリ細胞で発現していることを明らかにした. 1.セルトリ細胞におけるGATA-1の発現制御の検討:セルトリ細胞におけるGATA-1の発現調節は,免疫染色法とin situ hybridization法によるなど解析から,転写レベルで行われていることが明らかとなった.これまでに広くセルトリ細胞株を検索した結果,GATA-1の発現しているセルトリ由来培養細胞株は見出されなかった.また,セルトリ初代培養細胞系でもGATA-1の発現は認められなかった.さらに,赤血球型と精巣型のそれぞれのプロモーターにルシフェラーゼ遺伝子を結合したレポーター遺伝子より種々の欠落変異体を作成しセルトリ細胞由来培養細胞に遺伝子導入して転写活性の検討を行った.その結果,セルトリ細胞の培養株においては,精巣型プロモーターの転写活性化が特異的に抑制される現象を見出した.また,それぞれのプロモーター/第一エキソンにβ-ガラクトシダーゼをつないだレポーター遺伝子を作成し、それらを用いてトランスジェニックマウスを作成した.赤血球型プロモーターはトランスジェニックマウスで特異的な遺伝子発現を行ったが,調べた範囲では精巣型プロモーターとその上流域は本システムでは不活性であった. 2.GATA-1発現と精子形成との関連性の検討:GATA-1の精子形成サイクル特異的な発現を解析するため,GATA-1発現開始後にその発現が最初にOFFとなる精細管が出現する5週齢前後の精巣を詳細に検討した.その結果,核濃縮期の精子細胞の存在がGATA-1発現の抑制に重要であることが明らかとなった.
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