Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田甫 桂三 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (80100973)
竺沙 知章 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (60243341)
清水 俊彦 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (20031768)
西村 年晴 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (00011750)
宗 正誼 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (70249499)
宮崎 和夫 親和女子大学, 文学部, 教授 (20229826)
吉野 諄三 統計数理研究所, 助教授 (60220711)
林 知己夫 統計数理研究所, 名誉教授 (50000188)
大橋 健一 兵庫教育大学, 学校教育学部, 講師 (70269281)
佐々木 正道 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (30142326)
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Research Abstract |
本研究では阪神・淡路大震災において学校並びに教員の果たした役割を調査し,今後の学校・教員養成におけ防災教育のあり方を述べることを目的とする。また,この震災ではボランティアの活躍が目覚ましかったことに鑑み,その実態を明らかにし,今後の災害時におけるボランティアのあり方に言及し,特に学生ボランティアの組織化に資することを目的とする。 徳山のグループは神戸,阪神及び淡路地区の15の協力校について震災当初の状況と校長・教頭,並びに教員の果たした役割を聞き取り調査し,更に,1964年の新潟地震,1978年の日本海中部地震発生時の学校の状況等と比較検討した。西村は1924年の北丹地震野状況,特に当時の豊岡中学校性との活躍を当時の作文等の資料をもとに調査した。また,大学院学生の修士研究として池田市の山本幸二教諭と浜坂町の西村和夫の指導の中でこれらの学校での防災教育の指導の実践を試み,将来の学校防災教育の指針に活かすこととした。 池田市では小学校6年の児童を対象に自宅内での家具等の被害状況のアンケートを行い,その結果を校区内の地盤との関連について分析し,これらの児童に還元し,地域全体の被害状況の中での個々の家の被害を,特に地盤と関係付けさせた。被害檄甚の阪神地区ではほとんどの家具等が倒壊しており,地域差が明瞭ではないが,池田では丹波層群,大阪層群,段丘層,冲積層の地域でそれぞれ家具の倒壊・飛散状況が異なり,地盤による家具等の非構造的被害の差違が明確となった。 浜坂町では中学生を対象に,それぞれの地域での祖父母等の災害体験を聞かせたが,これにより過去約60年のうちに大規模な豪雨災害が3度あったこと,また災害の中での洪水の高さ等の被害の地域分布が河川の位置等により具体的に表現され,河川の方向,谷の分布等の地形と被害分布との関係が明らかとなった。 これらは何れも児童・生徒自身またはその身近な親戚の具体的体験を通して得られた結果であり,個々には当該の被害のみは知っていたが,これを総合し分析することにより,災害の全体像と共にその中での個々の地域の被害の位置付けや意味合いを理解することができる。防災教育は学校ばかりでなく,地域住民に対する教育としても考える必要があり,個々の地域での災害の種類・頻度ばかりでなく,全体像・位置付けを知り,地域全体として備えることが肝要である。 これらの研究調査の結果を報告書としてとりまとめ,災害時における学校の危機管理体制,並びに防災教育のあり方について所要の施策に反映させることとした。 佐々木のグループでは阪神・淡路大震災において活躍したボランティアの社会学的調査を行っているが,神戸,西宮,芦屋,宝塚の4市に登録されたボランティアから1万人を抽出し,郵送方式によりアンケートを行い,4,575の回答を得,その分析を行っている。その対応等の概略は得られているが,現在分析中である。この間,阪神地区の大学の協力を得て学生のボランティアについても同様のアンケート調査を行い,集計中である。 これらの調査結果を報告書としてとりまとめ,ボランティアのコーディネイティング,並びにそマニュアルの資料とする。
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