Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 尚 岐阜大学, 工学部, 教授 (40026125)
吉良 満夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (40004452)
山辺 信一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (00109117)
市川 紘 星薬科大学, 薬学科, 教授 (30061279)
友田 修司 東京大学, 教養学部, 教授 (30092282)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
化学結合の本性や化学反応の微視的機構を解明し,物質の構造・性質・変化を正しく予測することは化学の普遍的研究テーマである.本研究では,量子理論を基本原理とする新しい有機化学の軌道理論を構築する必要性について調査研究を行った.調査研究の対象として(1)モデル系に対する精密な数値計算の結果を簡潔に表現して,化学にとって真に有用な情報を数値計算からとり出すための理論的方法,および,(2)簡単なモデル系について理解した結果を複雑な構造を有する大きな系に射影して,分子や反応中間体などの化学種の安定構造と化学活性を評価し,反応における種々の選択性を的確に把握するための理論的方法の開発と(3)実験的にこれの方法の合理性と応用性を検証し,反応論の立場から典型元素と遷移元素を区別する妥当性の再検討を選んだ.これらの項目について班員が調査研究を行った結果をもちより,2回の全体班会議において詳細な検討を行うとともに,平成8年1月に東京で班員による公開講演会を開催し,調査研究の成果を公表した.これらの成果に基づき,量子化学の基本原理に基づく合理性を備え,化学事象に見られる類似性と多様性の問題を包括しながら有機化学の基本概念と結び付き,既存の理論を吸収しうる新しい有機化学の軌道理論の展開と構築がわが国の化学と化学工業の発展によって緊要であるとの判断に到り,平成9年度に発足する科学研究費補助金重点領域研究に本総合研究(B)と同題で「有機化学の軌道理論」を提案した.
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