Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津本 忠治 大阪大学, 医学部, 教授 (50028619)
三品 昌美 東京大学, 医学部, 教授 (80144351)
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
御子柴 克彦 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30051840)
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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Research Abstract |
ヒトの記憶や学習の成立がどのようにしてなされるか高次機能の一つとして,大きな研究課題であった。この20年来の生命科学の大きな伸展が,これまで,電気生理学的,行動学的にのみ把握されてきた高次脳機能に,漸く分子レベルでのアプローチの可能性がわずかに見い出されてきたといえる。これらの高次脳機能を解明するには,単独の研究手法のみでは十分ではなく,生理学,生化学,薬理学,生物学形態学,発生学,遺伝学,行動学を統合した学際的手法が求められている。 アプローチの方法として,大きく分けて2種の仕方が考えられる。 I.全個体としての動物を用い,記憶・学習における行動学的解析とその脳組織における分子レベルの解析. II.ラット海馬臓器培養組織,成熟ラット海馬切片,成熟ラット大脳皮質視覚領野切片を用いての解析. 平成7年7月17日〜19日の3日間にわたり,東京において「学習と記憶の細胞決定因子:受容体,イオンチャネル,遺伝子発現の燐酸化反応と調節」のタイトルの下にシンポジウムを開催した。本シンポジウムには,1.開会講演,2.受容体とチャネル,3.シナプス可塑性の分子機構,4.シナプス伝達の調節,5.学習の分子決定因子,6.遺伝子発現,の各セッションに分け,班員ならびにそれぞれの分野で著明な研究業績を有する研究者を招待して,公開討論会を挙行した。現時点における研究情報の交換が十分に行なわれ,それぞれの分野における問題点が指摘された。さらに,今後の研究の方向づけ,展望が論じられ,班会議の目的が達成された。
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