Project/Area Number |
07451100
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
仏語・仏文学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
滝澤 隆幸 名古屋大学, 言語文化部, 教授 (90023613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 克史 名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (40128202)
小坂 光一 名古屋大学, 言語文化部, 教授 (90019258)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | Alfred Tomatis / 聴覚心理音声学 / 外国語教育 / 電子耳 / 聴力 / 発音 / つづり字 / 高周波音 |
Research Abstract |
これまでの外国語教育ではLL機器の導入、外国人教師の活用、早期教育などにより改善が図られてきたが、所期の成果が必ずしも得られているとは考えられない。これには、耳から脳に至る聴覚のメカニズムを解明し、聴覚の改善を図るという発想が欠落しているからである。 「人は耳で聞いた音しか発音できない」とするフランスの耳鼻咽喉科医Alfred Tomatisが唱えた聴覚心理音声学的方法(APP法)はこの欠陥を補うのみならず、外国語教育に画期的な成果をもたらす可能性があると考えられる。医学・心理学に広く応用されてきたこの方法は外国語教育面においては未だ科学的に検証されていない。本研究では、聴覚心理音声学の理論を検討し、この方法の基盤を成す電子耳機器(OE)を使用し、1)聴力・発音が改善されるか、2)わが国の外国語教育にとって有効であるか、の2点について被験者を対象に実験を行った。OEによるトレーニングの標準プログラムが長い時間を要する(2週間+定着休止期間3週間+2週間)ため、1年間に可能な範囲の実験を行った。結果は分析中のものを含めると、かなり膨大なものとなるため、上記2点について必要且つ充分と思われるデータが得られた実験(1)〜(3)について報告する。すなわち、フランス語を目標言語とし、標準プログラムに則った実験(1)、独自のプログラムで行った、対照群を設定した大学の授業における3カ月コースの実験(2)、一週間の短期集中コースの実験(3)である。 実験(1)では被験者の聴力が明らかに改善され、高周波音の/s/z/S/Zに著しい進歩が見られた。さらに、OEによる学習中はフランス語の文の発音練習を行わなかったにも関わらず、学習後はフランス語らしい文の発音になっていたことは、従来のLL教育、音声学の知見では得られなかった成果である。実験(2)ではOEによる学習を行った学習の聴力が改善された他、中間試験の成績は対照群より優れていた。ただし、集中的なプログラムでない場合は、効果が比較的薄いのではないかとの結論に達した。実験(3)では短期間にも関わらす、若干の差異は見られるものの被験者の聴力は改善されている。この学習を行った学生は通常クラスの定期試験において首位であった。以後の実験結果については別の機会に報告する予定である。以上の実験結果から、APP法による学習が外国語教育の改革に大きく貢献する可能性が検証された。機器の導入、プログラムの作成、教員の養成など解決すべき様々な問題点があるが、聴力・発音の改善に有意な結果が得られたことにより、外国語教育の効率を高め、国際化に対処するためにAPP法による外国語学習の導入が検討されるべきではないだろうか。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)