食品の味覚の受容とシグナル伝達に関する分子生物学的解析
Project/Area Number |
07456058
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食品科学・栄養科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 綜一 東京大学, 農学部, 教授 (20011934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 啓子 東京大学, 農学部, 助教授 (10151094)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
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Keywords | Taste / Signal transduction / G protein / Receptor |
Research Abstract |
本研究は、申請者自身が世界で初めて成功した味覚レセプターのクローニング[J.Biol Chem.,.268,12033-12039(1993)]を基盤に、共役するGTP結合タンパク質、エフェクター、第二メッセンジャー、イオンチャンネルの解析を通じ、外来情報の最初のしかも主要な受容部位である味細胞におけるシグナル変換からシナプス電流発生までの細胞内シグナル伝達のプロセスの分子レベルでの解明を目的として実施された。 味覚の(主として甘味と苦味)の第二メッセンジャーとしてcAMPとIP3を生成することがすでに知られているが、この際に関与するGタンパク質はGsα、GqαおよびGiBγ分子種であると考えられている。申請者が味細胞に存在するGタンパク質を検索したところ、Gqαタイプの分子種G15-likeをラット舌ライブラリーよりクローン化することができた。このタンパク質の発現は味細胞にも観察されたことから、味覚のシグナル伝達、特にIP3の生成に関与しているものと推定している。またrサブユニットについてもその存在を検討してみたところ、舌に特異的ではないものの、新種の分子種のクローンを得ることができた。 得られたクローンを培養細胞(バキュロウィルスを用いたSf9細胞)を用いて発現させ、リガンド(各種味物質)による第二メッセンジャー(cAMPあるいはIP3)の濃度変化の測定を行ったところ、舌由来のクローンを発現させたものにおいて、とくにIP3の濃度について有為な差が観察された。各種味物質のうちでは苦味に対しての反応性が大きく、得られたクローンが苦味のシグナル伝達に関与している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)