血流刺激による内皮細胞の形態と機能変化、ことに活性化内皮細胞の病理学的意義
Project/Area Number |
07457058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
吉田 洋二 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10008237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 徹 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60220430)
三俣 昌子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (40064589)
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Project Period (FY) |
1995 – 1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Keywords | ずり応力 / 内皮細胞 / DNA合成 / p21 / 4型コラーゲン合成 / 流れずり応力 / Cdlagen合成 / NGSA / GRO / ずり応力依存性遺伝子 / tight junction / 内皮細胞活性化 |
Research Abstract |
内皮細胞機能は局所血流動態に依存し、定常流性血流によるずり応力、すなわち一定方向に恒常的に加わるずり応力は、内皮細胞機能を安定化し、ずり応力の向きや大きさが変動する二次流では内皮細胞機能は活性化する。 Confluentとなったウシ大動脈内皮細胞、ヒト臍帯静脈内皮細胞をparallel flow chamber内に置き、様々な大きさの定常流性ずり応力を作用させ、DNA合成、コラーゲン代謝を検討した。a)内皮細胞のDNA合成は、その機能的安定性の一つの指標と考えられる。ヒトや動物の大動脈のずり応力は平均的に10数dyn/cm^2と言われているので、30dyn/cm^2の定常流性ずり応力刺激を内皮細胞を加えたところ、2時間でDNA合成は低下し始め、4時間で静置対象の48.6%にまで低下した。p21はcyclin-dependent kinase阻害蛋白で、DNA合成を抑制する物質として知られているが、ずり応力負荷後2時間より発現が亢進し、12時間まで、時間依存性に増加した。一方、p125 focal adhesion kinase (FAK)の活性化を測定したところ、ずり応力負荷直後、静置対照に比し低下したが、48時間、72時間後明らかなkinase assayの上昇を認めた。tryosine kinase阻害剤であるgenisteinを培養液に加えたが、ずり応力負荷によるDNA合成抑制に影響を与えなかった。すなわちずり応力負荷によるDNA合成の阻害は、p21蛋白の発現によることが明らかとなった。b)定常性ずり応力負荷により、ずり応力依存性に4型コラーゲン蛋白の合成は亢進した。その閾値は10dyn/cm^2であった。F actinの重合をcytochalasin Bで阻害すると、30dyn/cm^2、24時間のずり応力刺激によるコラーゲン合成は、対照の73%に抑制された。チロシン燐酸化を抑制するgenisteinを添加すると、ずり応力依存性のコラーゲン合成亢進作用は消去された。 in vitroでも適度な定常性高ずり応力は血管内皮細胞機能を安定化することが確認された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)