神経芽細胞腫のテロメラーゼ-診断・治療の新しいターゲット-
Project/Area Number |
07457422
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
小児外科
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
桧山 英三 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00218744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 徹 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70142338)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / テロメア / テロメラーゼ / 予後因子 / 悪性度 / 自然退縮 / N-myc / 染色体異常 |
Research Abstract |
本研究は、テロメラーゼが神経芽細胞腫の生物学的特性を不死化(immortality)と退縮に2分する指標になり得ると考え、凍結保存した132腫瘍について検討した。 1、腫瘍のテロメア長・テロメラーゼ活性の測定:サザンハイブリダイゼーションにてテロメア長(Terminal restriction fragments)を測定した結果26例が8kb以下に短縮し、3例が15kb以上に延長していた。凍結組織を購入したクライオスタットで腫瘍部を切り出し、TRAP法によるテロメラーゼ活性の検討では124例(94%)が陽性で、このうち無治療にて切除した103例中100例(97%)が陽性、22例(21%)が高活性であった。高活性群のうち19例が進行例で14例が腫瘍死していた。活性のない3例は自然退縮し、低活性群は3例を除いて予後良好であった。 2、腫瘍の染色体異常の検出:flow cytometerでのDNA ploidyと増殖期細胞数の検討では、増殖能の高い細胞にテロメア短縮とテロメラーゼ高活性の傾向を認めた。染色体1番短椀の欠損をRFLP,repeat polymorphismsと購入した顕微鏡システムを用いた染色体分析にて解析した結果1p32領域の欠損が悪性度と相関し、テロメラーゼ高活性群にのみこの部の欠損を認め、N-mvc増幅とも相関していた。以上から高テロメラーゼ活性の腫瘍は悪性度が高く、テロメア長は様々の長さに安定化しているのに対し、低または無テロメラーゼ活性の腫瘍は悪性度が低くテロメア長を安定化できず退縮分化する腫瘍が含まれていると考えられた。他の成人の悪性腫瘍のテロメラーゼ活性の検討から、小児期に芽細胞から構成される腫瘍は成人の腫瘍と異なり、遺伝子変化に乏しく分化過程の途中にあると考えられる細胞で構成される予後良好な腫瘍の一群が存在することが示唆された。以上から、テロメラーゼが神経芽細胞腫の悪性度の指標としての有用で、今後診断および治療のターゲットとしての応用が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)