Project/Area Number |
07458108
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear fusion studies
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
廣畑 優子 北海道大学, 工学部, 助教授 (00189896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 一郎 北海道大学, 工学部, 助手 (80238568)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
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Keywords | 水素 / リテンション / ボロン / ボロンカーバイド / シリコンカーバイド / 黒鉛 / プラズマ対向材料 / ヘリウムイオン照射 |
Research Abstract |
核融合実験装置のプラズマ対向材料への水素リテンション量およびその脱離過程を調べることは、プラズマ閉じ込め特性を向上させる上で重要な課題となっている。本研究では、プラズマ中の酸素ゲッタリング特性を有しかつ化学スパッタリングを抑制するボロン系材料(B_4C転化材)の水素リテンション特性を調べた。また、同一条件下で黒鉛、SiC転化材およびタングステン(多結晶)の水素リテンション特性を調べ、ボロン系材料と比較検討した。 1.5keVの水素イオンを各試料に5×10^<18>H/cm^2照射した後、1000℃まで昇温し試料から脱離する水素量からリテンション量を評価した。水素リテンション量は黒鉛(6.7×10^<17>H/cm^2)を基準とすると、B_4Cは1.5倍、SiCではほぼ同程度、Wは1オーダー少なかった。また、脱離特性をリテンション量が半減する温度で評価すると、黒鉛は800℃でB_4Cは黒鉛より200℃、SiCでは100℃低かった。これはB-HおよびSi-H結合の水素がCH結合より低温で脱離するためである。B_4Cの水素リテンション特性は、ボロン膜中の水素の脱離が350℃の低温で生ずる結果と一致している。W中にリテンションされた水素は400℃でほぼ半減した。 核融合炉では材料中に保持された水素を除去する方法として、ヘリウムによる放電洗浄が行われている。本研究では試料中にリテンションされた水素を5keVのHeイオンで照射しその水素除去効果を調べた。これら改質黒鉛材料の内もっともHeイオンによる叩きだし効果が大きかったのはB_4Cでリテンション量の約40%が除去できた。また、SiCが最も除去率が小さかった。これはHeイオンの注入深さが黒鉛やB_4Cに比べて浅いために試料中にリテンションした水素を叩き出せなかったためと考えられる。水素のリテンション特性は、リテンション量のみならず熱的脱離温度やHeによる放電洗浄による叩き出し率などを総合的に判断する必要がある。ボロン系材料は、リテンション量は多いがベ-キング温度(350℃)で25%程度を脱離し、かつHe叩き出し率が40%も高いので炭素系材料の内では優れた材料であることがわかる。
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