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¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
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Research Abstract |
1 無麻酔・無拘束齧歯類動物の長時間脳温記録装置の作成 (1)脳温変動長時間記録 温度変化に対応して周波数を変える脳温トランスミッター(米国,ミニミッター社製)を用い,そのサーミスター先端部を視床など間脳の特定の位置に刺入,頭蓋骨に固定する。脳温変動は,トランスミッターの発振頻度の変化として送信され,これをチューナーで受信,電気刺激装置を用いて波形整流後コンピューターに入力し,数日間連続記録する装置を作製した。 (2)強制的脳温固定装置 さらに任意の温度設定可能なインキュベータ内で,コンピューターのフィードバックによる温風ヒーターのon-off応答を組み合わせることにより31℃より39℃の間で無麻酔・無拘束下に脳温を自動制御し(誤差幅0.2℃以内),脳温強制固定を可能とする装置の試作に成功した。深部脳温はプローブの位置によって異なった値を示さず,常に全体的に変化することが認められた。 2 グルタミン酸受容体結合阻害剤の脳温作用検索 興奮性伝達物質グルタミン酸の異なる受容体阻害剤CPP,MK-801,NBQXを比較検討すると,室温20℃ではMK-801(1〜10mg/kg ip)に最も強い脳温低下作用が認められ,特に一過性虚血と組み合わせた場合,2-4時間後に34.5℃に低下し約4時間持続した。しかし,室温26℃では逆に脳温が上昇した。体温設定とその維持にグルタミン酸伝達系が重要な役割を演じていることが強く示唆された。体温調節中枢が局在するとされる視束前野,前視床下部,後視床下部はいずれも脳底部にあるため,トランスミッターをこれらの部位に刺入し,長時間安定した温度記録をとるには,プローブの形状と固定法を改良する必要があり,その基礎実験にとりかかっている。基本的には,本研究で試作に成功した長時間記録装置と慢性電極による長時間ニューロン活動記録の併用について検索する必要があろう。
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