Project/Area Number |
07555447
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geotechnical engineering
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
桜井 春輔 神戸大学, 工学部, 教授 (40031067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 真一郎 基礎地盤コンサルタンツ, 関西技術センター, 主任(研究員)
芥川 真一 神戸大学, 工学部, 助手 (70231850)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Keywords | 斜面 / 情報化施工 / 非弾性ひずみ / 有限要素法 |
Research Abstract |
斜面やトンネルなどの地盤構造の施工においては、地山が不連続面をもち、その分布並びに地山の組成および風化の程度が場所によって異なるために、設計に先立ち行われる調査によって、地山の特性を性格に把握することはできない。そのため、設計の段階において、掘削によって生じる地山の挙動を正しくシミュレートすることは難しい。そこで、それを補うために施工中に地山の挙動を計測し、その測定された結果から、地山の安定性を評価し、また、測定結果を設計にフィードバックさせて、現設計の妥当性を検討する、いわゆる"情報化施工"の概念に基づき、その構成要因のいくつかについて実験的・解析的に検討を行った。 斜面のモニタリングにおいては計測は応力測定に比べて、比較的容易に、かつ制度よく行うことができる変位測定が主体となる。そこで、まず、掘削中に測定される変位から、周辺地山のひずみ分布を求める方法として、逆解析法を開発した。これは、先にトンネルなどの地中構造物において開発・適用した非弾性ひずみを考慮した方法を斜面に拡張したものである。また、地山の安定性を評価する上で欠かせない管理基準値として、変位から直接的に求めることができるひずみ量の規準値としての限界ひずみを不均一な地盤材料について再検討した。 次に、この手法を発展させ、掘削斜面において計測した変位から、すべり面の形状およびすべり面の強度定数を逆算し、現状の安全率を求める方法の確立のため実験的検討を行った。このとき、滑り面の形成はせん断剛性の低下に大きく影響されることを考慮し、砂を用いた中空円筒型ねじりせん断試験を実施し、せん断ひずみとせん断剛性・垂直剛性の関係を調べた。その結果、すべり面の形成過程において想定される応力状態においてせん断ひずみが増加する間は、せん断剛性のみが著しく低下するが、垂直剛性はほとんど変化しないことが確認された。この関係を利用すれば変形の増加に伴う剛性の適切にモデル化することができ、変位計測に基づく斜面の情報化施工において材料の基本特性と現場計測結果に基づいた合理的な安全率の推定が可能となることが示された。
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