Project/Area Number |
07557197
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西塚 泰美 神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 公久 神戸大学, 医学部, 助手 (50263372)
中村 俊一 神戸大学, 医学部, 助教授 (40155833)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Keywords | ホスホリパーゼD / コリン憐脂質 / G蛋白質 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
本研究では、受容体刺激に連動するコリン憐脂質加水分解とPKC活性化の共役機構を分子レベルで解析する目的で、コリン憐脂質加水分解反応の主要酵素であるホスホリパーゼD(PLD)の活性調節機構解明に焦点を絞り解析を行った結果、以下の研究成果を得た。 哺乳類のPLD活性は通常強く抑制されており、この抑制の解除には高濃度の硝酸アンモニウムを加えることが有効であることを見い出した。この原理を応用して、ホスホリパーゼDの新たな活性測定法を開発した。この方法は従来のものに比べ薬100倍感度が高く、微量の酵素源でも活性測定可能である。そしてこの方法を用いてラットの各臓器の酵素活性を測定したところ、腎臓、脾臓で最も活性が高かった。今までの報告では、脳、肺などの組織にPLD活性が高いと考えられており、多くの研究者はこれらの臓器を用いて研究を行ってきた。我々の開発した活性測定法によると、腎臓のPLD活性は脳の酵素より数十倍活性が強く、PLDの活性調整機構などを解析する目的には腎臓が適切な臓器であることを明らかにした。腎臓のPLDは膜結合であり、その活性化にはGTP-γ-S、並びに可溶性画分に存在する複数の蛋白質の因子が必須であることを明らかにした。また、膜を可溶化しPLDを精製して行く際に、活性発現に重要な熟安定性の因子として、エタノールアミン憐脂質を同定した。 今後、これらの酵素、並びに活性調整因子を精製し、再構成実験を行うことにより、刺激に応答したPLD活性化の仕組みを分子レベルで明らかにしてゆきたい。
|