日本人のペプチドトランスポーター遺伝子多型性解析とその自己抗体産生との係わり
Project/Area Number |
07557224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
熊谷 俊一 神戸大学, 医学部, 教授 (00153346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 博夫 京都府赤十字血液センター, 研究部, 研究部長
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Keywords | ペプチドトランスポーター / TAP / 遺伝子多型性 / シェ-グレン症候群 / 全身性エリテマトーデス / SS-A抗体 |
Research Abstract |
自己免疫疾患の病因病態の解明を目的として、MHC結合ペプチドの輸送を担うTap1, Tap2遺伝子の多型性を明きらかにし、これらの遺伝子の疾患発症への関与を検討した。 1.Tap2遺伝子の新しい変異の発見.Tap2遺伝子に新たな変異を3ヵ所発見した。そのうちTAP2(577)はMet→Valへの特異的な変異であり、これを新しくTAP2*Bky2と命名し報告予定である。 2.PCR-SSCP法によるTap遺伝子多型性検出法の確立.PCR-LIS-SSCP法とPCR-RFLP法を組み合わせ、既報のすべてのアリルに加えてTAP2(577)Met/Valの変異も確実に検出する方法を確立した。 3.正常日本人における対立遺伝子頻度.日本人のTap1については欧米人に比しTAP1*C(0301)の頻度が低かったが、有意の相違は認めなかった。Tap2についてはTAP2*Bの頻度が高く、そのうちTAP2*Bky2が5.1%存在した。また欧米人では稀なTAP2*Eも7.0%存在した。 膠原病患者の対立遺伝子頻度. シューグレン症候群(SjS)および全身性エリテマトーデス(SLE)患者のTap1遺伝子多型は正常人と差を認めなかった。一方Tap2についてはSjS,SLE患者ともTap2(577)がValのタイプ(TAP2*Bky2)が多く、特にSjSにおいては有意に増加していた。 TAP2*Bky2増加の意義.TAP2*Bky2保育SjS患者には、SS-A抗体陽性者が有意に多かった。正常人ではTAP2*Bky2はDRBI*0803やDQB1*0601と連鎖不平衡にあるが、SjS患者のDRBI*0803頻度は正常人と差がなく、TAP2*Bky2がSjS発症に重要と推察された。今後その意義をより明確にすることにより、SjSの病因に迫りたい。
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Report
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Research Products
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