Project/Area Number |
07610008
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Philosophy
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
千田 義光 國學院大学, 文学部, 教授 (10052169)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 現象学 / 現代哲学 / フッサール / ハイデガ- / フィンク |
Research Abstract |
先ず、設備備品として、当該研究主題に関して近年刊行された諸著作の購入、ならびにそれらの書誌学的整理および管理のためのコンピュータ購入を行った。補助金金額から制約により、特に図書としてはすでに所属研究機関において所蔵しているもの以外のものに限定して充実を図った。 研究としては、フッサールについては1910〜20年代にかけてのいわゆる彼の中期の知識論を中心にして分析を行い、晩年において展開される西洋的理性の徹底化と理念史的展開のための土台となる、事象に即した実質的かる緻密な彼の考察をあとづける試みを行った。ハイデガ-に関しては、主著『存在と時間』以後の第二の主著である『哲学への寄与』を現象学的観点から読み解く試みを企て、そこからハイデガ-の難解な思索にアプローチする新たな視点を確保する試みを行っている。フィンクについては、2人の師であるフッサールとハイデガ-にたいして、彼らの原理的問題提起を批判的に継承しつつも、同時に独自の哲学的立場を明確にしていき、その結果新たな現象学的哲学の可能性を徐々に切り開こうとした1950年代の思想を特に問題として研究した。 上記3哲学者の哲学的思索は哲学することの根本動機を共有しつつも、批判と対決の過程を歩んできた。これらの哲学の生成は、いずれも現在遺稿に基づく著作刊行を通じて、これまで以上に明らかとなりつつある。彼らの思索を批判的かつ問題史的に解釈し直すことは、20世紀哲学者の考察に多大の意義をもつと考えられるのであり、本科研費補助による研究は申請者にとってそのための第1歩を進みはじめたものである。
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