20世紀初頭におけるドイツ・アカデミズムの変容と知識社会の構図
Project/Area Number |
07610040
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 禎文 東北大学, 教育学部, 助手 (20235675)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 20世紀初頭ドイツ / ドイツのアカデミズム / エルンスト・クリーク / 保守革命論 / 教養市民層 / ドイツ観念論 |
Research Abstract |
今年度の研究においては、(1)ドイツの大学史関連資料、研究書、(2)ドイツ教養市民層に関する研究書、(3) 20世紀初頭における社会科学、精神諸科学(文学を含む)の代表的著作、(4)雑誌『Die Tat』、『Die Weltbuhne』等の資料を収集した。上記の資料を用いて、主要人物のコ-ホ-トを設定(1860年代生まれから10年毎に集団を設定)し、それぞれの世代の教養形成過程を解明した。 具体的な作業としては、特にエルンスト・クリークの思想形成を取り上げて、分析を行った。20世紀にはいると、社会構造の変化に伴い、アカデミズムの担い手、そしてアカデミズムそのものに変化が生じる。19世紀には伝統的アカデミズムの外側に存在した者が、《新しいアカデミズム》の中心に位置するようになる。彼らに共通してみられる傾向は、(1)伝統的アカデミズムに見られる細分化に批判的であること、(2)学問的成果と現実的な生の課題とを急進的な形で結びつけることである。こうした《新しいアカデミズム》の代表者がクリークである。クリークは、ドイツ観念論の研究(『人格性と文化』1910)においては、人格の擁護を掲げるが、1910年代には保守革命論の影響を受け、「全体が個に優先する」という見解を展開するに至る。 20世紀初頭のアカデミズムは、果てしない細分化が進行する一方で、クリークに見られるようなロマンティークな世界観に基づく知の総合化に二極化してゆきことが判明した。
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Report
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Research Products
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