Project/Area Number |
07610084
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川口 潤 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (70152931)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 潜在記憶(implicit memory) / 反復プライミング / 意識 / 音楽の記憶 / 和音の記憶 / 知覚プライミング |
Research Abstract |
音楽情報の潜在記憶特性を明らかにするために,和音に焦点を当てた実験を行った.これまでの筆者の研究において,一度提示された和音は,その後,再認できなくても長調短調判断課題の成績がよいことが示されている(川口潤 1995 音楽情報の潜在記憶 梅本尭夫(編)音楽心理学の研究 ナカニシヤ出版).これは和音に対する反復プライミング現象である.そこで本研究では,和音のどのような特徴が反復プライミングを生起させているのかを明らかにすることをめざした.本年度は,和音の音色という知覚属性が影響しているかどうかを検討した.もし影響がみられれば,和音の潜在記憶には音色のような知覚属性を含めた情報が保存されていると考えられ,みられなければ知覚属性を越えたより高次な抽象化された情報が保持されていると考えられる.実験は学習段階とテスト段階とに分かれていた.学習段階での課題は提示された和音についての好悪定評であった.続くテスト段階では,被験者は瞬時提示された和音(100msec)が長調か短調かの判断を求められた.学習段階の和音とテスト段階の和音とは,音色が一致する場合(どちらもピアノ音)と一致しない場合(学習段階ではマリンバ,テスト段階ではピアノ)が設けられた.その結果,学習段階で提示された和音の方がテスト段階で初めて提示された和音よりも長調短調判断の成績がよく,しかも音色の違いによる効果はなかった.つまり,和音に関する反復プライミング効果が追認され,さらに反復プライミング効果には音色の影響が見られないことが明らかとなった.このような結果は,反復プライミングを支えている潜在記憶には,音色といった知覚レベルではなく,より高次な情報形態で保存されていることを示している.今後,和音のどのような特性が潜在記憶に含まれているのかを明らかにするとともに,他の音楽情報,特にメロディーがどのような記憶されているのかを検討していく予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)