Project/Area Number |
07610149
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
神田 久男 立教大学, 文学部, 教授 (60153029)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 家族の関係性 / 実感的体験 / 家族内コミュニケーション / 家族図式的投影法 / 家族画 / 家族の病理性 |
Research Abstract |
1.目的:家族各成員が家族内の関係性をいかに認識しているか、その認知内容を半構造化された投影法によって体験的、実感的にとらえることによりその様相を把握し、同時に家族の病理性についても検討する。 2.方法:対象は東京、広島、盛岡の思春期の子ども(10〜12歳)とその母親248組。小集団ごとに家族内コミュニケーション・インベントリ-、家族図式的投影法、及び家族画を実施し分析した。 3.結果と考察:まず、家族内コミュニケーション・インベントリ-で親子共にコミュニケーションの病理性が高い得点を示した組みは、子どもの自己像は曖昧でその家族にあって孤立や疎外感を体験している傾向が強いことが明らかになった。しかし、母親が家庭内のコミュニケーションの文脈性、明晰性を高く評価しているにもかかわらず、子どもは低く評価している場合も家族画や図式的投影法に子どもに深い問題性を予見させる反応内容が多く見られることから、臨床的にはこのようなパターンの相互認知のズレに関しては注目していく必要がある。また従来の家族画の研究では、両親が省かれその家族に登場しないような場合は、親子関係に問題があることが多いと考えられていたが、親を描かなかった子どもの40%近くは家族内のコミュニケーションや自己の位置づけにおいてむしろ高い健全性を示していた。これは子どもにとって両親の安定した存在感の反映とも考えられるが、この点については事例的アプローチによって解明されなければならず、今後の課題となる。
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