Research Abstract |
1.教授法のデザイン 以下のような算数・数学に関する教授法をデザインし,そのデザインを会話分析,エスノグラフィックな観察などの方法を用いて評価した.対象は,小学校6年生2クラスと中学校2年生3クラスである.1グループ,12-15人で構成し,一週間で一つの学習セッションを終了させた. a.学校数学の相対化;ここでは,かけ算(小学生),方程式(中学生)の計算問題に関して,自分で問題づくりをし,また,問題の現実性,数学的な意味という観点から"変な問題"について吟味する.自分で変な問題をつくり,どういう意味で変か評価する. b.自然哲学としての数学;ここでは,無限,運動といったものをどう考え,表現すべきか考える.表現の道具としてコンピュータ・グラフィックス,運動を様々な速度,視点で観察するためのVTR,絵,図,記号などを用いた.こうした問題から出発して,既成の数学教材のうち面積,体積,速度の問題を位置づけなおしてみた.(中学生のみ) c.遊びとしての数学;まず,ハノイの塔とル-ビック・キューブのパズルを解き、さらにこうしたパズルを変形し,自分なりのパズルをつくる.また,それぞれに関して様々な変形問題を解決することが可能な一般解,様々な変形問題を生成する操作群を考える.さらに,問題を解いたり,つくるとき既成の算数,数学の中から使えるものを探す.(小学生と中学生でインストラクションは異なる) 2.日常生活における算数,数学の使用に関する調査 この調査は,数学教材を作成するための基礎データを得るために行われた.具体的には,流通業,金属加工業において,算数,数学がどのように用いられており,どのような算数,数学的な手続きを生み出しているかエスノグラフィックな方法を用いて調査した.
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