Project/Area Number |
07610214
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
春日 雅司 摂南大学, 経営情報学部, 助教授 (90152660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹安 栄子 追手門学院大学, 人間学部, 助教授 (70131414)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 女性地方議員 / 地域社会 / 地域福祉 / 高齢者福祉 / 地域権力構造 |
Research Abstract |
本研究では、地域社会における福祉行政(とりわけ高齢者福祉)に関する政治的意思決定のメカニズムをサーベイ調査を通じて実証的に明らかにした。この作業を実行するに当たって、まず地域社会における福祉行政ならびに高齢者福祉に関する理論やこれまでの調査研究などを調べ、分析枠組の作成に役立てた。また調査対象となったのは、地域社会における政治的意思決定者としての「女性地方議員」である。というのも、一方で現在のわが国では、高齢者福祉の最末端の担い手が「女性」であること、また他方で1994年に実施した全国女性議員調査の結果、「女性地方議員」の多くが福祉行政を争点として政治の舞台に登場してきていたことから、女性として、そして政治的意思決定者としての女性政治家たちについて、さらに詳しく福祉政策と政治の関わりにしぼって調査することとし、これに関連した諸研究も分析した。さらに、いくつかの特徴ある自治体を選定し、関連資料の収集および聞き取りを行い、地域特性の比較に役立てることとした。女性地方(都道府県・市区町村)議員約2500名に対しては、郵送法により、基本属性、立候補の動機、高齢者の介護経験の有無、福祉行政との関わり、高齢者問題に対する考え方などが質問された。回収率は40%を越え、その詳細な結果は今後コンピューター処理されるが、大まかな結果として、女性義員の大半は政治の舞台に登場するに当たって、自ら高齢者介護を経験し、苦労を通じてそこで生じた問題を解決するには自身政治家になるのが有効であると感じていること、しかし実際には既存の政治システムの枠組が重くのしかかる一方、有権者の多様なニーズに具体的に対応していかねばならならず、双方から板ばさみの状態に置かれていることなどが分かった。従来、介護経験などもたない男性議員の手によって福祉政策が策定され、決定されてきたが、他方このような自らの経験の中から登場してきた女性議員が(高齢者)福祉政策を通じて地域の既存の権力システムとどう対決するのかは、今後データを詳細に検討して明らかにしたい。
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