Project/Area Number |
07610252
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
海原 徹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00026824)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 舎密学 / 博物館・博学校 / 予備教育 / お雇い外国人 / 高等専門教育 / 一般公募 / 東西両大学校計画 / 医学校・医学校病院 |
Research Abstract |
本年度テーマに関して得られた知見は以下のとおりである。1.大阪が選ばれたのは、江戸府下の政情不安、幕末期以来の東西両大学構想、大阪蘭学の伝統、大阪遷都案、新政府開明派の教育意見などが複雑に絡み合ったものである。2.従来より論争されている舎密局の場所は、幾つかの先行研究を踏まえた実地調査の結果、現存する2つの記念碑とかなり離れた府駐車場の一角であることが判明した。3.当初は一般公募でなく、諸藩の大阪屋敷を通じて行い、武士階級の子弟を対象にしていたようたが、明治2年3月には藩士、百姓、町人を問わず、すべての身分や階級に門戸を開放している。なお各人の支配関係を通じた募集であるが、翌3年1月以降はこうした規制をまったく廃している。明治2年9月に開校した洋学校が、管轄外はその役人用達を経るとしたものの、府下の居住者については直接出願を認めた、つまり一般公募を始めたことと照応するものである。4.ハイレベルの教育内容は、ハラタマの講議案、およびその筆記をまとめた「理化新説」などの刊行物から知られる。洋学校の場合は蘭語のみでなく英語、仏語を加えながら、自然科学から社会・人文科学一般へ授業内容を拡大していったことが、残された幾つかの科目構成やテキストなどから分かる。医学校については、徳島藩医官関寛斎の見学記録によりその大要を知ることができた。5.田中芳男、何礼之助、緒方惟準らの教師については出身地などの調査から、蘭学学習から大阪赴任へ至る経緯がかなり詳細に判明し、また外国人教師の中、ハラタマ、ボードウィン、エルメリンス、リッテルなどはオランダ、ドイツ関係の文献によりとくに学歴面の新しい情報が得られた。6.経費は大学南校の6分の1程度の小額にとどまり、また理学所から開成所へ移行するさい、文系科目がプラスされたこともあり、大幅な増加はついになかった。中央移管が常に議された理由の一つでもある。
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