Project/Area Number |
07610368
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
渡辺 信一郎 京都府立大学, 文学部, 助教授 (10031618)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 占田・課田 / 戸調 / 戸等制 / 俸禄制 / 均田制 |
Research Abstract |
すでに作成を終えて公刊準備をしていた「占田・課田の系譜--晋南朝の税制と国家的土地所有--」(中国中世史研究会編『中国中世史研究 続編』京都大学学術出版会)が出版された。この論文では、占田・課田制の基礎をなした戸調・田税制度が六朝末まで堅持されたこと論じた。本研究は、そこでは充分にふれることができなかった漢末魏初における戸調制の成立過程と南朝への展開過程を、史料整理を中心にあとづけることを試みた。その結果、形成期以来、戸調制は戸等制度をともなって実施されたもので、魏から南斉までは財産基準、梁・陳時代は丁数を基準として賦課されたことが分かった。 さらに北朝期についても同様の分析を試みたが、基本的には南朝と同様の傾向を示すことが分かった。南朝と異なるのは、大和年間にあいついで施行された俸禄制と均田制とが、夫婦単位の戸調を実現し、より安定的で公平な収取と財政運営をもたらす契機となった点である。また、この戸調制の実態把握に基づいて、北魏大和年間の財政収支表を作成し、北魏の財政構造と運営実態を考察する基礎づくりをおこなった。 本研究によってもたらされた知見は、今後より精密な検討をへたのちいくつかの論文にまとめて公刊する予定である。さらには南北朝を総合した税財政の特質の考察をおこない、それが隋唐期へどのように展開していゆくのか、概括的な見通しが立てられるよう努力したい。
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