Project/Area Number |
07610374
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Asian history
|
Research Institution | Shikoku Gakuin University |
Principal Investigator |
池内 功 四国学院大学, 文学部, 教授 (90133553)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Keywords | 元朝地方長官制度 / ダルガチ / 元朝の合議制 / 掌印官 / ダルガチの権力 |
Research Abstract |
モンゴル民族による征服王朝である元朝路府州県各地方政府には、主としてモンゴル人が任命されるダルガチなる長官とダルガチと官品給与の等しい管民長官としての漢人が任用されていた。清朝の満州欠・漢欠に相似たこの元朝の地方長官制度において、タルガチの日常業務、ダルガチと漢人長官との関係を調べ、どちらが当該地方最高権力者としての実験を掌握していたか、を確認するのが、本研究の目的である。先学の研究のうち宮崎市定、エンディコット・ウェスト両氏の研究が参考になった。両氏ともにダルガチが毎日他の同僚の地方官たちと合議し、決裁する姿を明らかにしている。なお、エンディコット・ウェスト氏は、ダルガチの権力は合議制により弱まったと考える。私は、地方官制の中に位置づけられ、官品給与が等しい漢人長官と協力して仕事する体制において、ダルガチはどこに支配民族としての権威を持たされていたのかという観点から研究した。元典章にある、決裁の印をダルガチが掌握していたことに関連する史料、文集類に見える、属官が議案を作り、ダルガチに決裁を求める史料、カラホト出土漢文文書で明らかな決裁書類の体裁、また群県祭祀の前日の祭儀のリハ-サルでダルガチが属官の配列の指示をしていたことを示す元典章の史料など、ダルガチの権威の所在と関連する諸史料を収集できた。今後とも史料を収集すれば、モンゴル支配の権威をもたされたダルガチの姿をより鮮明にできると思う。
|