Project/Area Number |
07620026
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝瀬 幸雄 名古屋大学, 法学部, 教授 (90169376)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | モデル法 / 比較訴訟法学 / 正義へのアクセス / ハ-モニゼイション / 国際民事訴訟法 / 裁判法の人間化 / 紛争の効率的処理 / ヨーロッパ民事訴訟法 |
Research Abstract |
当初はドイツ国際裁判管轄論の研究から出発したが、「ヨーロッパ民事訴訟モデル法」が公表されたため、その包括的研究に重点を置くにいたった。「モデル法」は、ヨーロッパ連合(Eu)構成国全般の(国際および国内)民訴法のエッセンスを集約したものであり、比較訴訟法学の見地からして、きわめて重要であるとともに、今後の日本民訴法の改正にとって貴重な資料となる。ヨーロッパ内部に限らず、外国仲裁判断の執行に関するニューヨーク条約、ラテン・アメリカ民訴モデル法典にみられるように、正義へのアクセスを実現するための訴訟法の近接化・ハ-モニゼイションが全世界的な課題となっている。とりわけ、(1)国際訴訟における不意打防止・(2)ヨーロッパ司法に対する信頼強化・(3)Eu諸国での民訴法改正への対応・(4)裁判運営・(5)共通のヨーロッパ的価値の実現といった根拠からして、ヨーロッパ訴訟法を近接化させる必要がある。国際民事訴訟法に関する規定を含むモデル法を作成した作業グループは、訴訟法近接化の方法として、法的拘束力を伴うEC指令を選んだ。このモデル法は、(1)和解・(2)訴訟の開始・(3)訴訟物・(4)ディスカヴァリ・(5)証拠・(6)テクノロジーと証拠・(7)訴訟の中断・(8)欠席・(9)費用・(10)保全処分・(11)支払処分・(12)判決の執行・(13)間接強制・(14)雑則(期間の計算等)の14章からなる。和解の規定を、裁判法の人間化と紛争の効率的処理とを調和させる制度として冒頭に設けたことも注目されるが、そのほかに、ディスカヴァリ・保全処分・支払命令・間接強制の規律は、とくに革新的な内容となっている。「ヨーロッパ民事訴訟法」生成の背景、民訴法の統一・ハ-モニゼーションの基礎理論とともに、広汎な比較的知見をふまえたモデル法の全訳を1996年前半に発表する予定である(私の著者「比較訴訟法学の精神」〔信山社〕の一部として、出版する準備をすすめている)。
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