Project/Area Number |
07630009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済理論
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒田 達朗 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (00183319)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 都市成長 / 教育と人的資本 / 都市化と経済成長 |
Research Abstract |
都市においては、様々な産業や文化活動などの集積が知的情報の空間的スピルオーバーなどを通して内生的に技術革新を誘発し経済成長をもたらしていると考えられる。ただしそのような集積の利益は、特に欧米や近年の我が国のように高度な研究開発やサービス業など先端産業への特化を特徴とする場合、様々な高等教育を受けることにより一層多様性に富んだ人材(人的資本)が空間的に集中することにより生み出されるものと考えられる。他方では、その経済成長がもたらす所得の上昇が地方からの人口移動を招き、ますます都市の規模・集積が拡大しつつ均衡ないし定常状態へ収束すると思われる。その際、都市部には比較的学歴の高い労働力が地方から流入することとなる。実際、米国においても高学歴者の方が地域間の移動率が高く、我が国でも大学等への進学に引き続き大都市で就労する例が多い。 そこで本研究では、一国が都市部と農村部からなる2地域モデルを想定し、都市部ではDixit-Stiglitzタイプの生産関数を労働力のバラエティによる規模の経済を導入した。これに対して農村部では規模に関する収穫一定の生産関数を想定した。家計は自ら居住する地域の産業に労働力を供給するが、都市部に居住し働くためには教育を受けて差別化された人的資本を得なければならない。各家計は自らの予想される「実質賃金」が大きい地域を選択すると同時に、都市部を選択する場合は自分への教育投資の水準あるいは人的資本の水準を「実質賃金」が最大となるように決定する。各期における均衡状態を求めるとともに、時間軸上でのその推移を分析した。その結果、人口が成長するに伴って都市人口は増大し、国民所得も増加するがその伸びは次第に現象することなどが明らかとなった。また、市場の歪みを是正するためには政府の介入が必要となるが、都市部の産業部門へのバラエティのある人的資本雇用の補助は、人的資本蓄積を促進するとともにより多くの都市部への人口流入を促すことにより経済成長に貢献する可能性がある。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)