Research Abstract |
位相空間XとXから離散整数群Zへの連続関数全体が作るアーベル群C(X,Z)およびその双対群について研究し,次の1の成果を得た。関連して,位相空間Xの部分空間Aに対し,実数値連続関数の空間C(A)からC(X)への拡張作用素について,2つの成果を得た。また,距離の特殊な性質に関して3の成果を得た。 1.距離空間Xの閉部分空間Aを与えたとき,アーベル群C(A,Z)からC(X,Z)への単射準同型でfにfの拡張を対応させるものが存在することを示した。これを応用すると,non-scatteredな加算距離空間Xに対し,C(X,Z)はC(Q,Z)と同型であること,non-scatteredな可分な零次元完備距離空間Xに対し,C(X,Z)はC(R-Q,Z)と同型であることが分かる。ここで,Qは有理数の空間である。また,零次元距離空間X,Yに対し,もしC(X,Z)とC(Y,Z)が同型で、Xが完備ならば,Yも完備であることを証明した。 2.完全正規な順序位相空間Xで,そのgapの集合がシグマ離散であるものを考える。このとき,Xの閉部分空間Aと任意の位相空間Yに対し,C(A×Y)からC(X×Y)へ連続な線形作用素で,fにfの拡張を対応させるものが存在することを証明した。また,Xとして整列順序位相空間を考えても,同じ結論が得られることを証明した。結果として,順序数の積空間Xの中のA×Bの形の閉集合に対し,C(A×B)からC(X)への連続な線形作用素で拡張を対応させるが存在することが分かった。 3.距離dは,任意の異なる2点xとyに対し,d(x,p)=d(y,p)となる点pがただ1点だけ存在するとき,性質UMPを持つという。カントル集合と無理数の空間上に,位相を変えないUMPを持つ距離が存在することを証明した。
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