Research Abstract |
本研究では、研究代表者の最近の研究論文(“An M/M/s-consistent diffusion model for the GI/G/s queue",Queueing Systems,Vol.19,No.3-4,pp.377-397(1995))の結果を拡張・一般化し、出生死滅過程(以下BDPと略す)として定式化される待ち行列システムをベースとする一般的な待ち行列システムの近似解析を行い、次の結果を得た。 1.フレキシブル生産システムの性能評価に有用な有限バッファをもつ複数窓口待ち行列GI/G/s/Nの定常分布に対し、システムに固有なある保存則を用いて、BDPとして定式化されるM/M/s/Nベースの拡散近似解を得た。この結果に数値例による近似精度検証を加えて、論文“A refined diffusion approximation for finite-capacity multi-server queues"(Discussion Paper Serise A,No.30,Faculty of Economics,Hokkaido University)としてまとめ、現在投稿中である。 2.1の結果をさらに拡張して、BDPとして定式化される任意の確率的システムの分布を一般化したシステムに対する拡散近似モデルを構築した。この結果は、1996年1月に京都で開催された『情報通信ネットワークに関する性能評価モデルの総合的研究』シンポジウムで報告され、論文“Birth-and-death-based diffusion approximations for queues"として、同シンポジウム報文集(pp.289-300)に掲載されている。 3.2の結果は、特殊な構造をもつマルコフ過程として定式化されるシステム・ベースへさらに拡張可能であることを明らかにした。この結果を2に加え、1996年5月に米国Lambertville,NJで開催されるIFIPS WG7.3主催のワークショップで“Diffusion approximations for queues with Markovian bases"という題目で発表する予定である。
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