小質量星の大気構造と観測特性:M型矮星から褐色矮星へ
Project/Area Number |
07640350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20011546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 隆史 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 助手 (70142255)
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Project Period (FY) |
1995 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1996: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 小質量星 / M型矮星 / 褐色矮星 / ダスト / 分子 / 大気構造 / 非灰色大気モデル / 幅射スペクトル分布 / 炭素矮星 / 赤外スペクトル / ダ-クスター |
Research Abstract |
赤色・褐色矮星などの小質量大気の低温・高圧下では熱平衡のもとでは2,000Kですでにガスから固体への相転移が起る。分子のみを考慮したモデルでは分子吸収の強い非灰色性により星の表面温度は極めて低くなるが,ダストが星大気の上層部に形成されると,ほぼ連続的で分子吸収よりも桁違いに強い吸収が大気上層を覆うため大気の温度は大幅に上昇する. このためダストの形成はダスト自身により抑えられるが,それでも形成される少量のダストにより大気構造は大きく変化し,そのSEDもダストに大きく支配される.現在までに知られた晩期M型矮星や最近発見されたの褐色矮星を含む小質量星の色は,全てこれらのダストモデルから予測されるように赤く,またスペクトルにもダストが存在することを示す効果が観測される. このことは,かなり多くの褐色矮星を含む小質量星の大気にダストが存在することを意味する。このことは、これらの天体大気に形成されたダストの寿命が極めて永いことを示すが、これはとりも直さずダストがガスと詳細平衡にあることを意味する。しかし、最近中島らにより発見されたより低温で正真正銘の褐色矮星Gliese 229Bには見かけ上ダストは観測されないが、ここではダストの分離、即ち非可逆過程が始まり、ダストはガスから分離し雲の形で存在するものと考えられる. 従ってネダスト雲の間隙から流出したメタンなどの揮発性ガスが大気上層を満たすためネダストは観測されずむしろ分子ガスのスペクトルが再び優勢となるものと考えられる. 褐色矮星にはダスト及び分子のスペクトルが各々支配的である2種類が存在するが、これらは我々のモデルにより明確に説明される。これらのモデル・グリッドを完成した。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)