Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
GEOTAIL衛生に搭載したMI,HI両宇宙線望遠鏡による観測データをもとに10^〜100MeV/nエネルギー領域の宇宙線データの解析を行った。観測期間は93年1月から95年7月までの2年半にわたる。粒子弁別はdE-E法によるもので、ISEE-3衛星データ解析のために独自に開発した方法によった。MI,HIともにPSDの誤動作が確認されているため同位元素の解析は断念せざるを得ず、元素レベルの弁別のみを行った。その結果、O,N,Neにはっきりと異常成分が同定された。即ち、100-50MeV/n領域では銀河宇宙線成分がほとんどであり、エネルギーが下がるとともに線束が減少するが、50MeV/n以下では異常成分の寄与によりエネルギーとともに線束が増加する。これに対してCでは約25MeV/nまで線束はエネルギーとともに減少しO,N,Neとは明らかに異なったエネルギースペクトルを持つ。25MeV/n以下ではエネルギースペクトルは減少から転じて平坦になる。VLISM中の中性原子が異常成分の種になっているのであれば、Cの異常成分は見られないはずである。Ulysesseによる最近の観測から、局所星間空間塵に起源を持つと考えられるCピックアップイオンの存在が確認された。このピックアップイオンが太陽風終端衝撃波で加速を受ければ、Cの異常成分が観測されても不思議ではない。25MeV/n以下でのCの増加は、この異常成分の寄与によると考えられる。Sの異常成分の可能性に注目し詳細な解析を行った。前回の結果と異なり、20MeV/nまで単調減少するエネルギースペクトルが得られ、Sの異常成分の存在は確認できなかった。 以上の成果は、まとめてしかるべき雑誌に投稿準備中である。
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