Project/Area Number |
07640381
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 光裕 東京大学, 教養学部, 助教授 (80185876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 純夫 東京大学, 教養学部, 講師 (00158693)
風間 洋一 東京大学, 教養学部, 教授 (60144317)
米谷 民明 東京大学, 教養学部, 教授 (10091521)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 弦理論 / 量子重力 / 双対性 / 位相的場の理論 / ソリトン解 / 行列模型 / 対称性 / 非摂動効果 |
Research Abstract |
1.加藤は、弦理論の位相的構造と背景場依存性等に関する研究をおこなった。特に、昨年度の研究で得られていた異なる背景場を結びつける相似変換に対して、(1)変換によって分離される位相的セクターに存在する位相的代数からの意味付け、(2)共形対称性を含む世界面上のゲージ対称性が部分的自発的破れを起こし、非線型表現が実現されるという立場からの再解釈、をおこない、それまで発見法的に得られていた変換を、より一般的に導出および理解する事を可能にした。 2.米谷は、弦理論の非摂動的な定式化へ向けて行列模型とその弦理論との関係についての研究を進めた。これまで十分に合理的な導出がなされていなかった弦の散乱行列に現れるエネルギー依存する位相因子を、高エネルギーにおいて有効な半古典近似に基づき具体的に導出することに成功した。これにより弦の広がりの効果の主要部分がこの位相因子に含まれていることを明確にすることができ、その時空的解釈、特に因果律に関して一般に流布している誤解を解いた。また、弦の場の理論を行列模型のstochastic quantizationの立場から直接導出し、さらにその結果を拡張してc=(.1)/2模型の場合にT-双対変換を定式化することに成功した。 3.風間は、弦理論のT-及びS-双対性の研究を、特に基本的と思われる6次元のstring-string dualityに注目して行った。これはヘテロ弦を4次元トーラスでコンパクト化した理論とタイプII弦理論をK3空間でコンパクト化した理論がS-duality変換で結ばれるという予想で、両理論の低エネルギー有効理論においてソリトン弦の解がS変換で移りあうことが主張されていた。我々はS変換を作用のFourier変換とみなす立場からこの主張をより詳しく解析し、ヘテロ弦のソリトン解の族の持つ0(6,22)という大きなT-duality対称性が非自明な形でタイプII弦でも実現されていること、しかし従来の弦の集団座標の取り扱いには欠点があること、等を見いだした。現在正しい取り扱いの解析を行っており、完成し次第論文として発表する予定である。 4.和田は、(1)宇宙の一次相転移におけるバブル形成での重力の効果を、虚数時間を使った半古典近似で考察した。特に、利用する古典解の初期条件の重要性について考えた。(2)量子力学の確率解釈の導出について、フィンケルシュタインの定理を拡張することを考えた。特に、頒布のピークを得るために、波動関数の何乗を利用すべきかという問題を考え、必ずしも二乗である必要はないとの結論を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)