Research Abstract |
江口は以下の二つのテーマに関して研究を行った。 1.位相的シグマモデル リーマン面上で定義された位相的シグマモデルはリーマン面から対象空間への正則写像(インスタントン)のたし仕上げを与える事が知られている。江口は昨年度,梁,堀と共に対象空間がCP^1の場合を調べ,位相的シグマモデルの分配関数が行列模型の積分で表わせる事を示した。本年度,江口は堀,Xiongと共に対象空間がより一般の位相的シグマモデルを調べその可積分構造を調べた。位相的場の理論のWittenの位相的漸化式を用いるとひろいクラスのシグマモデルが可積分構造を持ち一種のソリトン理論となる事が分かる。現在,Landau-Ginzburg型の記述法や行列模型の構成を研究中である。 2.超対称ゲージ理論 ここ1年半ほどの間で超対称性を持つ4次元の理論の関して多くの厳密解が発見され,強結合ゲージ理論の力学に関する理解に大きな進展があった。江口は梁と共にN=2超対称を持つゲージ理論に関して,ゲージ群や物質場の詳細に依らない普遍的なスケーリングの方程式を導いた。(プレリント“Prepotentials in Supersymmetric Gauge Theories and Soliton Equations",UT-728)また、堀,伊藤,梁と共にN=2超対称ゲージ理論の厳密解を分析し,解の持つパラメーターを臨界点に近づける事により,広いクラスの共形不変な場の理論を構成した。(プレプリント“Study of N=2Superconformal Field Theories in 4 Dimensions",UT-742)
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