Project/Area Number |
07640452
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
唐沢 力 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90106336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 武 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047191)
赤井 一郎 大阪市立大学, 理学部, 助手 (20212392)
小松 晃雄 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047134)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 層状結晶 / 三沃化ビスマス(BiI_3) / 高密度励起子 / 光学的シュタルク効果 / 空間分解分光法 / 高密度電子-正孔系 / 縮退四光波混合 / 巨視的量子コヒーレンス |
Research Abstract |
1.真空蒸着法による結晶試料育成炉を製作し、積層不整界面を含む極薄結晶の育成を試みた。この試料で母体結晶が示す固有励起子遷移は確認できたが、積層不整界面の制御までには更に育成パラメターの把握が必要である。 2.BiI_3結晶中の積層不整界面で励起される多準位励起子系を、ポンプープローブ法で高密度励起して遷移スペクトルの変化を観測した。特に、高密度励起子の実空間的振る舞いに新しい知見が以下のように得られた。 (1)窒素レーザー励起色素レーザーからのナノ秒パルス光励起と色素蛍光によるプローブから、励起子遷移スペクトルのブルーシフトとbroadeningが観測された。特に励起レーザースポットから空間的に隔たった結晶面の位置をプローブして(空間分解ポンプープローブ法)励起レーザー光の電場によるシュタルク効果と区別して、空間的に流れ拡散してきた高密度励起子による遷移スペクトルのブルーシフトを初めて明らかにした。 (2)モードロックNd:YAGレーザー励起ピコ秒色素レーザー光パルスを用いて、ピコ秒域で(1)と同様のポンプープローブ法を用いて高密度励起子によるスペクトル変化を観測し、ブルーシフトがパルス幅程度で立ち上がり、励起子の寿命時間程度持続することを確かめた。この測定にも空間的情報を得るために空間分解を行い(ピコ秒域時間-空間分解ポンプーブローブ法)高密度励起子によるブルーシフトの空間・時間的振る舞いを明らかにした。 (3)(2)と同じ配置で励起子遷移に共鳴する時間相関縮退四光波混合実験を行い、励起位置より空間的に隔たった位置で、高密度励起子のコヒーレントな流れ(巨視的量子コヒーレンス)によると思われる信号を初めて観測した。 4)理論的には、高密度にレーザー励起された電子-正孔系の巨視的量子コヒーレンス発現の可能性を探るために、低密度状態(多励起子ガス状態)と高密度状態(電子-正孔BCS状態)のトンネル系における近接効果を調べ、トンネル電流の電圧依存性に特徴的な構造が観測される可能性があることを明らかにした。さらに、工学的な応答にもこの特徴が反映される可能性があることが見出された。今後、実験結果との対応を探る。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)