Project/Area Number |
07640461
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉原 章 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (40166989)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ブリルアン散乱 / スピン波 / 金属磁性 / 磁性超薄膜 / 表面磁気異方性 |
Research Abstract |
近年の薄膜作製技術の進歩により単結晶金属超薄膜の作成が可能になった。また、ブリルアン散乱装置の測定感度の向上は、金属磁性体の高感度スピン波分光研究を可能にした。本研究では世界最高レベルの薄膜作成技術とブリルアン散乱装置の組み合わせにより、磁性超薄膜におけるスピンダイナミックスの研究、飽和磁化と表面磁気異方性定数の定量的評価を目的とした。 測定に用いた試料は電総研でMBE法を用いて作成された単結晶Au/Fe(楔)/Au超薄膜(最大膜厚8.9A)である、ブリルアン散乱測定には申請者が自作した超高感度・高分解能3+3パス型タンデム型ファブリ・ペロ-干渉計を用いた。測定は全て室温で行ない、膜厚8.9,6.5,3.9及び2.6Aについて、4.5kOeまでの磁場を加えスピン波振動数の磁場依存性を決定した。特に、膜厚2.6A(1.8原子層)においてもシャープなスピン波ピークを観測することが出来たことが本研究における重要な成果である。このことは、2原子層以下の膜厚においても室温で良く定義された強磁性秩序が形成されていることを意味する。更に、スピン波振動数の磁場依存性の解析から、この膜厚における飽和磁化がバルク値の約80%に面達することが分かった。超薄膜における磁気秩序の発現機構は未だ良く解かっていないが、本研究の結果はその解明に大きく寄与するものである。Au層で挟まれたFe膜の表面磁気異方性は面直方向を安定化させるため、膜面内を安定化させる形状磁気異方性を競合し、膜厚〜3A付近で面内磁化から垂直磁化へ移行することが分かった。この結果は、表面磁気光学カー効果を用いて測定された磁化のヒステリシス曲線の結果と良い対応を示す。 本研究により、ブリルアン散乱が極めて高いスピン波検出感度を有すること、また磁気定数を精度良く決定できることが示され、単原子層膜の磁性研究への道が開かれた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)