近藤問題に関連した非フェルミ流体論的状態の発生条件の総合的研究
Project/Area Number |
07640498
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
酒井 治 東北大学, 大学院・理学研究科 (60005957)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 幸弘 東北大学, 工学部, 助手 (70250727)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 二チャンネル近藤モデル / 非フェルミ流体状態 / 量子準位系 / ウラン化合物 / 数値くりこみ群 / 四重極応答 |
Research Abstract |
ウラン系等ある種のf^2-配位のイオンの希薄磁性合金の極低温での異常、あるいは量子二準位系に関連して二チャンネル近藤モデルが注目されていた。本研究課題では 1)二チャンネル近藤モデルによる非フェルミ流体的状態の発生したときにそれに特有な動的励起の特徴 2)現実の系を解析する場合に、モデル科にあたり落とした相互作用の現実での効果、また、それが動的励起にどのように現れるか、 3)二チャンネル問題とは一応切り離して、結晶場と近藤効果の競合する現実の系で見いだされた興味ある現象の起源の解明、を目的とした。 1)については、散乱行列の虚部がω^<1/2>べきの異常性を持つことを示した。ウランの場合に電気抵抗がT^<1/2>べきで減少することのあることが実験で見いだされており、謎とされていた。数値繰り込み群の計算により結合定数が非常に大きいときには散乱行列がω=0での値から減少して抵抗が増大することのあり得ることを示した。現実の実験といかに関連するか現在検討中である。2)について量子二準位系では伝導電子間のクーロン相互作用がある。阪大基礎工三宅グループとの共同研究により、非フェルミ流体状態はこの相互作用にたいして安定であることを示した。しかし、スピン帯磁率にも対数異常を生じ、検証可能であることを指摘した(雑誌論文第4項)。他に、情報を交換しながら行なったた東工大斯波グループの研究でウラン系において異常の生じる領域がかなり広いことが示された。これに関連してアンダーソンモデルの立場からの理解を進める研究を実行中である。3)についてCePd_2Al_3で従来の結晶場理論にもとづく四重極応答理論では零となるべきc_<33>モードの音速のソフト化が実験で見いだされ未解決の問題であった。これにつき近藤効果を含んだ四重極応答を考えることによりソフト化の起源を明らかにした(投稿中)。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)