Project/Area Number |
07640555
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 良和 京都大学, 理学部, 助教授 (00025420)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 地熱 / 雲仙火山 / 熱水活動 / 流動電位 / 自然電位 |
Research Abstract |
当該研究の目的は、雲仙普賢岳周辺で展開中の自然電位網を利用して、直流電気探査を行い、溶岩ドーム近傍で観測された正の自然電位異常の挙動やドーム西方での長期的電位変動を説明する熱水系モデルを構築することにある。特に、ドーム出現以後に普賢岳北西部で発達した負電位の原因を究明することに力点を置いた。このため、1)普賢岳南西の仁田峠・薊谷間に送信電極を設置し、ダイポール法による電気抵抗測定を実施した。2)従来から普賢岳山頂部で実施している自然電位の時間的及び空間的な変化を測定した。3)また、自然電位が作る磁場の有無を検証するため、地磁気全磁力の連続観測を継続した。4)観測結果を解析し、熱水系モデルを構築した。 普賢岳西方部における双極子法電気探査の結果、西方の妙見側では電気抵抗が高く、普賢岳の位置する東方側では電気抵抗が低い電気抵抗の境界領域が見いだされた。この領域は、正に、今期の雲仙岳の噴火活動に際して、ドームの出現直後から観測された、自然電位の西方負領域の北上領域に一致する。一般に、地熱活動領域に於いては、自然電位の正の異常は熱水の上昇に、負の異常は地下水の下降に対応すると考えられる。また、地下の高電気抵抗は弱含水層で、低電気抵抗は強含水層である。これらのことから、今期の火山活動に伴って、普賢岳新火口から多量に放散される水蒸気は、活動の初期にはマグマ本体および火道周辺の深部から供給されていたが、時間経過に伴って浅部に移行し、普賢岳西方の妙見カルデラ下の浅部から供給されたものと推定される。
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