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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
日本列島ペルム紀花崗岩類の分布,産状を明らかにすることを目的として,大分県臼杵地方に分布する臼杵火成岩類の地質調査,化学分析,年代測定を行った. 臼杵川火成岩類は石英閃緑岩を主体とし,少量の角閃岩,アブライト脈を伴う.西部ではこれらの石英閃緑岩を原岩として,マイロナイト化が進んでいる.石英閃緑岩及びマイロナイトと角閃岩について,K-Ar年代測定及びRb-Sr全岩アイソクロン年代測定を実施した.石英閃緑岩3試料及びマイロナイト1試料について得られた角閃石のK-Ar年代範囲は252〜272Maとなった.一方,臼杵川火成岩類に伴う角閃岩中のK-Ar年代は124Maとなった.さらに,石英閃緑岩〜ト-ナル岩3試料とそれを貫くアブライト3試料及びマイクロナイト1試料の計7試料につきて得られたRb-Sr全岩アイソクロン年代は275±56Maとなり,Sr初生値は0.7040となった.これらの年代とSr初生値は,関東山地の金勝山石英閃緑岩や,中部地方戸台構造帯のヒョ-越花崗岩類の値,さらに南部北上帯薄衣花崗岩礫の値と完全に一致する.さらに,臼杵川火成岩類は化学組成の点でMタイプに属するということも,金勝山石英閃緑岩やヒョ-越花崗岩類と一致する.一方,上記の角閃岩について得られた白亜紀前期の値(124Ma)は,関東山地御荷鉾帯の寄居変成岩-花崗岩複合岩体で得られた角閃石のK-Ar年代(92-113Ma)に対比される. 以上の結果から,九州東部の御荷鉾帯と黒瀬川帯に挟まれた地域に,関東山地北縁部や戸台構造帯と同様のペルム紀花崗岩類,白亜紀前期高度変成岩類が分布していることが明らかとなり,御荷鉾帯に隣接した地域に,南部北上帯-阿武隈帯構成要素が九州東部まで延びていたという結論に達した.
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