分子イオンにおける多次元プロトントンネリングの研究
Project/Area Number |
07640681
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
関谷 博 九州大学, 理学部, 助教授 (90154658)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | トロポロン / プロトントンネリング / 超音速ジェット / 分子イオン / 電子スペクトル |
Research Abstract |
本研究は分子イオンにおけるプロトントンネリングの多次元性について明らかにするために行われた。この目的を遂行するために、(1)プロトントンネリングが生じる分子または分子クラスターの基底電子状態及び中間状態におけるトンネリング分裂の測定、(2)分子イオンの構造についてのab-initio計算、(3)ゼロ運動エネルギー(ZEKE)光電子分光法装置の製作とZEKEスペクトルの測定、を試みた。(1)については、9-ヒドロキシフェナレノンのOD置換体(9HPO-d)の基底電子状態における振動状態選択的なプロトントンネリングが、分散蛍光スペクトルを測定することによって初めて観測された。9HPOの基準振動についてab-initio計算を行いトロポンと比較したところ、トンネリングを促進させる振動モードと妨げる振動モードの骨格原子の変位が2個の分子間で類似していることが見出された。更に、基底電子状態の振動モードの帰属を基に、尾関らによって報告されている9HPO-dのZEKEスペクトル中の未帰属の振動バンドの帰属を行った。その結果、振動励起状態においてもトンネリング分裂が観測されないことが明らかにされた。(2)については、トロポロンカチオンの最適構造と振動数のab-initio計算を行った。計算結果では、カチオン状態のC=O結合とC-O結合の距離は中性分子の計算値に比べて明らかに短い。このために、中性状態に比べてカチオン状態では2個の酸素原子間の距離が長くなりトンネリング障壁の高さとトンネリング距離が増加する。その結果、トンネリングの確率が著しく小さいと結論した。(3)については、パ-マロイを用いて磁気シールドしたZEKE装置を製作した。2波長多光子イオン化スペクトルを観測されたので、現在電子の信号の観測を行っている。今後、何らかの方法で9HPO-hの0^-準位をポピュレートすることが可能となれば、カチオン状態の振動励起状態の多次元トンネリングについてさらに詳細に解明することが期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)