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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本年度の研究成果は次の2つにまとめることができる。 (1)放電フロー装置とレーザー誘起ケイ光法を用いて、遷移金属原子の電子状態を選別した反応速度定数を決定した。 Ti(a^3F_J,a^5F_J)、V(a^4F_J、)a^6D_J)、Co(a^4F_J,b^4F_J,a^2F_J)、Ni(a^3F_J,a^3D_J,a^1D_2)などの状態の、O_2,N_2,炭化水素による反応について、速度定数を測定した。概略すると、ほとんどの場合二分子反応の起こること、4S^2の電子配置は反応性の低いことなどが明らかになった。また、スピン軌道状態間の間隔の広いCo,Niでは、微細構造による速度の違いも明らかになった。 (2)レーザー蒸発・パルスジェット法による、遷移金属原子ビームの生成に成功し、反応により生成するMOなどの化学発光の観測に成功した。 532nm光によるTiロッドの蒸発-ビームを生成し、Ti,Ti^*などのLIFによる検出を行なった。また、O_2パルスジェットとの交差領域からの発光を検出し、TiO(A^3Φ)の生成を確認した。更に、2つの色素レーザーによる誘導放出ポンピング法により、Ti(b^3F_J)状態の生成に成功した。これらの技術は今後、反応生成物の状態選別した検出へ有効であると考えられる。 ポテンシャル面の詳細はスピン-軌道状態によって定まるので、最終的には個々のスピン-軌道状態の反応速度を知ることが必要となる。(1)で述べたようにCo,Niでは状態によってはフロー条件でもこれは可能であるが、Ti,Vでは難しい。この事実は、Tiの高い励起状態y^5D_4からのエネルギー移動(Heとの衝突による)速度を測定することで、確認された。即ち、目的を実現するためには(2)の方法を発展させることが必要である。
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