Project/Area Number |
07640717
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北村 雅人 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50169885)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 動的速度論分割 / 触媒的不斉水素化 / BINAP / 光学活性ルテニウム(II)錯体 / 異常アミノ酸 / カルバペネム / ホスホン酸 / 定量的解析 |
Research Abstract |
不斉反応条件下においては、エナンチオマーの関係にある分子は異なった速度で反応する。この原理に基づいてラセミ化合物を不斉反応によって速度論的に光学分割することができる。この方法は、近年、有機合成にしばしば利用されるが、収率は理論的に50%を超えない、生成物ないし未反応基質の鏡像体過剰率は変換率に依存するという本質的な欠点を有する。しかし、基質が光学的に不安定で反応系中でラセミ化可能な場合には、動的な速度論分割によって原理的には100%の収率で、生成可能な複数の立体異性体のなかから一つだけを得ることが可能となる。立体選択的合成法の新しい方向として注目される。本研究において、不斉反応として2,2'-ジフェニルホスフィノ-1,1'-ビナフチル(BINAP)を配位子とする光学活性ルテニウム(II)錯体を用いる触媒的不斉水素化反応を取り上げ、また反応基質として2位置換3-オキソカルボン酸やホスホン酸エステル類を取り上げ、動的速度論分割に基づく2位置換3-ヒドロキシエステル類の立体選択的合成法を確立した。高立体選択性発現の分子機構を理解するとともに、この方法論を活用して、異常アミノ酸、カルバペネム抗生物質、ホスホン酸系抗生物質の合成を実現した。さらに、立体化学制御因子の系統的整理およびそれらの要素の関数化による反応系の定量的解析および評価システムの構築に成功し、動的速度論分割法の定量的解析を可能とした。所期の目的を完全に達成することができた。
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